クリスマスイブ
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表情が見えない分、彼がどんな気持ちでいるのか分からない
聞くのが怖い
私だけの自惚れだったらどうしよう
「今日私をここに連れてきたり、プレゼントまでくれるなんてどうして?頑張っているからだなんて、ただの幼馴染みの私にはそんな資格ないよ」
「ッチ。お前はまだ分からねェのか、俺がここまでしてるんだ。鈍感過ぎるだろ、いい加減気付け」
そう言ってローは、私の横に移動すると肩に手を乗せて身を屈めてくる
上から覗き込まれる様な格好で二人の距離が一気に縮まる
ごくりと喉が上下した
心臓がバクバクと早鐘を打ち息が苦しい
「言ってくれなきゃ分からないよ。それに私の勘違いだったら恥ずかしい」
「俺は名無しさんをただの幼馴染みと思ったことは無ェ。…恋人だったらその資格とやらもあるだろ」
さっきから頬が熱い
今の私の顔は絶対真っ赤になっている
目の前のローは面白そうに口角を僅かに上げた
「名無しさん、今日からお前は俺の恋人だ。いいな?」
「へ!?恋人ってそんなこと急に言われても…え、ローって私のこと好きだったの…?あー、どうしよ頭が混乱する」
完全に頭の中が真っ白になってパニックになる私を見た彼の眉間に再び皺が刻まれる
「五月蝿ェな。」
肩に乗せられていた彼の手に力が込もった気がした
ぐっと体を引き寄せられて、ローの顔が近付いてくる
恋愛経験が少ない私でも今から起こる事は流石に分かる
「ま、待ってロー!」
フッと目が少しだけ優しく笑ったような気がして
私は覚悟を決め目を閉じた
けどいつまで待っても降りてこない熱に疑問を抱き恐る恐る薄目を開けてみると目の前の彼は意地悪そうに笑っている
キスされるかと思って待ち構えていた私が恥ずかしすぎる
「ちょっと…え、なんで!?」
「お前が待てと言ったから待っているだけだ」
余裕綽々の表情をしたローは私の耳元に近付く
「明日の夜まで待ってやる。名無しさんの返事もな」
な、今更…ここまできて私の返事なんて決まっているのに
ローが待っていてくれるというよりは、何だか私がお預けされた気分だ
でもそれって明日のクリスマスも一緒に過ごせるって事なんだよね?
「明日は定時で仕事終わらせろ」
「う…分かりました」
「今日はお預けだ。明日、きっちり貰うからな」
やってやろうじゃないの
ローとクリスマスを過ごす為だったら私だってやるときはやるんだから
隣にいたローが自分の椅子に戻ろうと離れていくのに少しだけ寂しさを感じたが、去り際にそっと頭に置かれた掌の優しさが心を温かくした
fin.