ハートのリズム
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「ッ…キャプテン、何を?」
その場に崩れ落ちた私はキャプテンを見上げる。
「どれだけドキドキするか見て欲しかったんだろ。名無しさんの心臓すっげぇ脈打ってるぜ。」
その手の上には真っ赤な私の心臓。
自分の心臓なんて初めて見たーー…。
いやいや、待って。
普通は自分の心臓なんか簡単に見れるもんじゃない。
確かにそれはキャプテンに言われた通り、ドクドクと脈を打っているけど。
「だって…キャプテンがいきなりキ、キスするから。」
「あァ、どれだけ脈が速くなるか興味沸いたからな。いいモン見せてもらったぜ。」
あぁ、そうだよね。
キャプテンが私のこと好きなわけないよ。
実験の為ならキスなんて安いものだよね。
キャプテンにとって私は所詮モルモット。
だめだ、勝手に視界が歪む。
でも、キャプテンを好きな気持ちは止められないよ。
「お礼にいいモン見せてやるよ。何時まで下向いてやがる。名無しさん、顔上げて見ろ。」
「メス。」
「…え?」
「ギャー!何してるんですかキャプテン!」
「よォく見ろ。おれの心臓がこれだ。」
キャプテンの左手の上にはドクドクと脈打つ物。
右手に乗った私の心臓と何ら変わりのない真っ赤な心臓。
「み、見ました!見たから大丈夫です。早く仕舞って下さい。て言うか私のも返して下さい。」
顔を覆った手の隙間から見える二つの心臓。
それは同じリズムで脈を刻んでいる。
「大丈夫じゃねぇ。お前本当に分かってんのか?」
「な…なんですか?」
「おれも名無しさんと同じ様に脈が速くなってんだ。いい加減気付け。」
…
…えっと、それって。
「お。大きく脈打ったな。」
どくん。と全身の血液が沸騰しそうだった。
キャプテンが言った意味は間違ってなければ…それは。
「おれも名無しさんと同じ気持ちだぜ。」
「ッーー…!!」
だからその不意打ち止めて下さいって。
心臓に悪すぎます。
私の心臓は今、そこに有るはず無いのに胸が苦しくなる感覚を覚えて胸を押さえた。
「脈が速すぎる。」
「だ、誰のせいだと…。」
「クックッ。」