クリスマスイブ
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「あの〜、ロー?これは…」
部屋の中心にあるテーブルには美味しそうな料理が並べられている
「あァ、お前はいつも頑張っているから今日は特別だ」
チキンにケーキにオードブル
氷が入った銀色のバケツみたいなところに冷やされたシャンパンまで用意してある
こんな豪華なクリスマスディナーはドラマの中でしか見たことがない
ローが私のために用意してくれたの?
明日、雪どころか雹でも降るんじゃ…
なんて失礼な事を考えているとは思わないだろうな
先に座っているローはシャンパンを氷水から取り出して慣れた手付きでグラスに注ぐと、顎で向かいの椅子に座る様に指図する
「おい、早く座れ」
ローの意図が全然掴めずに、立ち尽くしていた私は指図された通り座ると、既にグラスを持ち上げて待っていたローのそれに私のを軽く合わせた
軽いいい音が響くと
よく冷えた液体を緊張で乾いた喉に流し込む
「どうだ味は」
「すっごく美味しいね、コレ」
「だろうな。俺が選んだんだから不味いワケがねェ」
満足そうに鼻を鳴らすと彼は料理を食べ始める
ローの考えている事が全然分からない
たぶん一旦家に帰ってきてから私を迎えに来たんだよね
なんで今は一緒にローの部屋でクリスマスイブを過ごしているの
「あの…ロー、今日はどうしたの?急にこんな…」
「急じゃねェ。俺はずっと前から考えていた。名無しさん、お前をどう誘うかな」
真剣に真っ直ぐ私を見る深い藍色の瞳から目が離せない
蛇に睨まれた蛙、じゃないけど
体が固まったみたいに動かない
椅子から立ったローは棚に置いてあった小箱を手に取ると私の前に差し出す
「女はロマンチックなのが好きなんだろ。イルミネーションだの、プレゼントだのが一番効果的だって聞いたからな」
細長い緑色の箱の赤いリボンを解き、箱を開けると中には小さいハートモチーフの宝石がついているシルバーのネックレスがきらきらと光る
「キレイ…」
「貸してみろ着けてやる」
ローは私の手からネックレスを取り、後ろへまわると髪の毛に触れた
その無骨で冷たい指の感触が少し首筋に当たりビクッと肩を上げてしまう
「ね、ねぇ。ロー…」
イルミネーションを見て
一緒にクリスマスディナーを囲み
こんなプレゼントまで用意しているなんて本当に勘違いしちゃいそうなんだけど
「どうした」
ネックレスの留め具を着け終わってもローはまだ後ろに立っている
私は胸元に下がったペンダントトップをぎゅっと握り締めた