クリスマスイブ
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「え、それじゃあ私とイブを過ごす為に来てく」
「自惚れるな」
「はい、すみません」
「どうせお前は予定もないだろうと思ったからな」
多少食い気味にぴしゃりと言い返されてはぐうの音も出ない
何気に失礼な言い方だな
ま、本当の事なんだけど…
はいはい
どうせ私は予定もないから一人寂しく残業でしたよーっと口を尖らせてそっぽを向く
一瞬、ローが口の端でニヤっと笑ったのが見えた気がした
エレベーターは地下駐車場に止まり私は停めてあったローの車に乗せられた
こんな高級車の助手席乗るだけで緊張する
それに車内がめちゃくちゃ良い匂いするんだけど
香水なのかな
なんだかローの匂いがして安心する
その香りを嗅ぎたくて無意識に私は深く息を吸って…って、変態か
隣のローにバレてないよね
こっそり隣に視線を向けてみたが私のことなど気に留める素振りもなく、車を静かに発進させると街中を走らせた
クリスマスイブなだけあって街路樹やビル街は綺麗なイルミネーションがキラキラと光り、目が引き付けられる
ローはゆっくりと駅前のロータリーにある装飾されたモミの木をひと回りするように車を走行させる
街を歩く人たちは皆、寄り添い歩いて幸せそうに見える
「わぁ、ロー。綺麗だね…」
「あァ…そうだな」
受け答えしてくれる声色もいつもの落ち着いた低音に戻っていた
よかった
ローの機嫌はすっかり直ったみたいで、イルミネーションの光で照らされた顔が柔らかく笑っているみたいに見えた
何故かさっきから私の心臓はドキドキしてうるさい
てっきり駅とか家まで送っていってくれるものだと思っていたのに駅を通り過ぎると車はある高層建物の駐車場に停まった
「ロー、ここは…?」
「俺の家だ。付いて来い」
いやいや、私もローと同じ会社で働いているでしょ!?それなのにこの差は一体なんなの
そりゃあエリート街道出世まっしぐらのローと平々凡々の私じゃ天と地ほどの差があるけどね、まさかこれ程までとは
私の家の狭いマンションを思い浮かべて、強く頭を振った
「何やってんだ名無しさん。ついに頭オカシクなったのか?」
ククッと喉で笑うローに拳を振り上げながら付いていく
「もー、ローったらひどい!待ってよ!」
いかにも高級感溢れる建物で一瞬気が怯む
一緒に乗ったエレベーターは当然の様に最上階で止まり、ある一室のドアを開けた先には広いリビング
そしてガラス張りの窓から見える夜景だった