クリスマスイブ
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でもそこで私の名前を出さないで下さい
黄色い声で騒いでいた女性たちは水を打ったように一瞬で静まり、視線は一気に私のところへ集まって痛いんですけど
私は波風立てずに平和に仕事がしたいのです
ひぃぃ!私を見る目が怖いよ
「お前も言いたい事があるならハッキリ言え」
「いや、私は…トクニナイデス」
こんな状況じゃ片言にもなるでしょ
そんな私を見て面白そうに口角をあげるロー
…むかつく
一方、女性達はローに怒られてしぶしぶ席につき仕事を再開していたけれど、あの方達はあのまま諦めて引き下がるような人じゃない
きっと就業後にでもローのこと強引にデートに誘っているんだろうなって思っていた
しかし、私の目の前にいるのは腕を組み立ちはだかる紛れもないローの姿だった
*
「名無しさん、おい聞いてんのか。俺がわざわざ迎えに来てやったっていうのに無視してんじゃねェ」
来てやったとは…?
さっきからペンギンとローの言ってる話が見えてこないんだけど
「帰るぞ」
そう言ってローは、私の腕を掴むと強引に椅子から立ち上がらせる
「えっ、ちょっと待って」
「遅ェ」
「まだ片付けが…っちょっと、ロー待ってって!」
「名無しさん、片付けは俺がやっとくから気にすんな!キャプテン頑張ってー!」
ローに引っ張られて足が縺れそうになりながらも急いで鞄を掴み後ろを振り返るとペンギンが元気よくブンブンと手を振っていた
「ペンギンごめんね、ありがとう!」
でも、ローに頑張れって何を…?
「ッチ。ペンギンの奴、明日絶対ェ
前を歩くローが物騒な言葉を呟いたので一瞬背中が冷えた
私は、こっそり明日のペンギンの無事を祈った
二人でエレベーターを待つ間、眉間に皺を寄せた隣の彼へ怖怖問う
「えっと、ローったらどうしたの?もう帰ったと思ってたのに。今日イブだよ…あの、朝のアレはいいの?」
エレベーターの扉が開いたところに二人で乗り込むとローは少し嘲笑した後、言った
「ハッ、あの下品な奴らと俺が一緒に過ごしてるとでも思ったのか」
うーん…下品なっていうのは、いつもローの周りを取り囲んでいる女性社員の方々のことかな
歯に衣着せぬ言い方といい、いつものローだけど
口調からイライラしているのが伝わってくる