クリスマスイブ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「お、名無しさんじゃん!こんな時間まで一人で残業かよ…あれ?今日はキャプテンと一緒じゃなかったのか?」
「わ!ペンギン!久しぶりじゃない?ていうか、なんで私とローが一緒なの?」
急なことでビックリしたが知っている人物の声だと分かったのでほっと胸をなで下ろす
振り向けば思った通りの人物、ペンギンだった
私、ペンギン、そして名前が出てきたローは幼馴染みの同期仲間で昔はよく三人でいたがペンギンだけ私達とは違う階の部署に配属されてから中々顔を合わせる事も少なくなっていた
ローなんてもっといい大学に行って大手に就職出来たと思うのに何故か私達は腐れ縁というか何というか今までずっと三人一緒だった
ペンギンなんて社会人になってからも昔からのキャプテン呼びは変わっていない
「いや、だって今日はクリスマスイブだろ?キャプテンなんてずーっと前から名無しさんのこと…」
「おい。ペンギンてめェ、誰の許可でコイツに話し掛けてやがる。お前もヘラヘラ笑ってんじゃねェ」
「キャプテン!」
「びっ…くりしたぁ~、って何だローか」
ペンギンと久しぶりの再会で話に花を咲かせていたらフロアに低い声が響く
入り口からツカツカと歩いて来て私の席の近くに立つ彼は私達が話しをしていた張本人、ローだった
高身長で目の下に濃いクマを拵えている彼に見下されるのは慣れているハズの私でもいざ目の前に来ると怯んでしまう威圧感がある
クマは寝不足の証でも何でもなく毎度の事だから敢えてツッコミはしないけど、この不機嫌そうな雰囲気は一体…?
そういえば今日は何だか朝から一段と機嫌悪かったようなと頭の片隅で思い返してみた
*
イブの今日も朝から女性社員たちはローの話題で持ちきりで
まぁ、幼馴染みの身としては昔からずーっと見慣れている光景なのでスルースキルも自然と身に付いた
敢えて気にしない事にしているのにローは何故か私に対して色々突っ掛かってくる
今日だって美人社員さんたちが黄色い声を出しながら盛り上がっていた所に向かっていったかと思えば私の名前を出したのだ
「ねぇ、トラファルガー君の事イブのお誘いしてみたら?」
「思い切って今夜空いてるか聞いてみようよ!」
せめて休憩時間にする話でしょ…と呆れつつ私は仕事をしていたらローは舌打ちし、女性達に向かって歩いて行くのを私は目で追い掛けていた
あぁ、イラついているな、目の奥が怖いから分かる
「おい、お前ら仕事中になにサボってやがる。少しは名無しさんを見習ったらどうだ」
自分の考えも、思いも上手く言えない私とは正反対で年上の先輩だろうが女性だろうがそんな事関係なく思ったままのことをズバッと言ってのける彼を少し羨ましく思う