ハッピーバレンタインデー
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ハッピーバレンタイン!
「はい、チョコレートクッキーのプレゼント。皆、いつもありがとね。」
「やったー!名無しさん、ありがとな!嬉しいぜ!」
「もう、シャチったら大袈裟なんだから。」
シャチは感激の涙を流しながら喜んでいる。
これだけ喜んでくれたなら頑張って手作りした甲斐があるわ。
「サンキュ、名無しさん。お返し楽しみにしてろよ。」
ペンギンは大きな手で頭を撫でてくれる。
とても面倒見が良くて正にこの船の兄貴分。
なんだか胸がじんわりと温かくなるのを感じ、少しくすぐったい。
他のクルーにも順番にクッキーを配っていると、船内にけたたましく鐘の音が鳴り響く。
カン!カン!カン!
「大変だ!キャプテンが帰ってきたぞ!」
「嘘!?まだこんなに日が高いのに?」
「何かの見間違いじゃ?」
チョコレートクッキーを貰って嬉々としていた雰囲気は一変。違う意味で船上は急に敵襲にあったみたいにバタバタと大騒ぎになった。
とある島に停泊し、真っ先に船を下りた我らがキャプテン。トラファルガーロー。
島に寄ったら夜まで帰って来ないから安心していたのに!
「早く隠れろ!」
「バカ!名無しさんに貰ったもの隠せ!」
「おい。」
背筋がピーンと。
凍る程の殺気。
「お前ェら、何を隠せだって?あ?言ってみろ。」
腹の底から出された低い声が聞こえ、途端に水を打ったように静まりかえる船内。
濃い隈を作ったのその目で睨まれれば、蛇に睨まれた蛙。
誰一人動けなくなってしまう。
ただ一人。彼女を除いて。
「ろ、ロー。今日は帰りが早いね! 何か用事でもあった?どうし…」「自分の船に帰って来たらいけねェのか?」
「いけなくありません。」
「フッ。分かればいい。」
白旗。
秒殺でローには完敗。
少しでも口答えすれば倍、いや十倍以上の事が返ってくるのは皆分かっている。
「それで、お前ェら何してた?名無しさんに貰ったもの一つ残らず出せ。」
「ロー!」
「お前は黙ってろ。」
「うっ…。」
でもここは動けない皆の為に私がやらないと…!
クルー達が無言で視線を交わし、先程名無しさんから貰った袋をオズオズと出そうとした時―。
「ロー、駄目だよ!それは皆にあげたものだから。それに…ローにはちゃんと本命の分があるんだから。いいでしょ?」
「そう言う問題じゃねェんだよ。おれの恋人である、お前が手作りした物をコイツらにあげるってだけで気に食わねェ。」
キャプテン…あんたどんだけお子様なんですか。という喉まで出かかった突っ込みは腹の奥に飲み込んだペンギンたち。
「もー!子どもじゃないんだから…。」
ぴしり。
「あ。」
クルー達が飲み込んだ言葉を軽く口にした名無しさんによってローの額に筋が何本か浮かぶ。
明らかに地雷を踏んだ事が分かった彼女も顔面蒼白。
「名無しさん、てめぇ…ちょっと来い。」
静かだけど怒気を含んだ声のローは軽々と名無しさんを担ぎ上げると、その場から連れ去ってしまった。
「いやー!助けてー!」
叫ぶ名無しさんの声も空しく響き、残されたクルーたちは心の中で手を合わせた。
「ねー、これ食べてもいいのかなぁ?」
「ベポ…お前ってやつは…。」
「はい、チョコレートクッキーのプレゼント。皆、いつもありがとね。」
「やったー!名無しさん、ありがとな!嬉しいぜ!」
「もう、シャチったら大袈裟なんだから。」
シャチは感激の涙を流しながら喜んでいる。
これだけ喜んでくれたなら頑張って手作りした甲斐があるわ。
「サンキュ、名無しさん。お返し楽しみにしてろよ。」
ペンギンは大きな手で頭を撫でてくれる。
とても面倒見が良くて正にこの船の兄貴分。
なんだか胸がじんわりと温かくなるのを感じ、少しくすぐったい。
他のクルーにも順番にクッキーを配っていると、船内にけたたましく鐘の音が鳴り響く。
カン!カン!カン!
「大変だ!キャプテンが帰ってきたぞ!」
「嘘!?まだこんなに日が高いのに?」
「何かの見間違いじゃ?」
チョコレートクッキーを貰って嬉々としていた雰囲気は一変。違う意味で船上は急に敵襲にあったみたいにバタバタと大騒ぎになった。
とある島に停泊し、真っ先に船を下りた我らがキャプテン。トラファルガーロー。
島に寄ったら夜まで帰って来ないから安心していたのに!
「早く隠れろ!」
「バカ!名無しさんに貰ったもの隠せ!」
「おい。」
背筋がピーンと。
凍る程の殺気。
「お前ェら、何を隠せだって?あ?言ってみろ。」
腹の底から出された低い声が聞こえ、途端に水を打ったように静まりかえる船内。
濃い隈を作ったのその目で睨まれれば、蛇に睨まれた蛙。
誰一人動けなくなってしまう。
ただ一人。彼女を除いて。
「ろ、ロー。今日は帰りが早いね! 何か用事でもあった?どうし…」「自分の船に帰って来たらいけねェのか?」
「いけなくありません。」
「フッ。分かればいい。」
白旗。
秒殺でローには完敗。
少しでも口答えすれば倍、いや十倍以上の事が返ってくるのは皆分かっている。
「それで、お前ェら何してた?名無しさんに貰ったもの一つ残らず出せ。」
「ロー!」
「お前は黙ってろ。」
「うっ…。」
でもここは動けない皆の為に私がやらないと…!
クルー達が無言で視線を交わし、先程名無しさんから貰った袋をオズオズと出そうとした時―。
「ロー、駄目だよ!それは皆にあげたものだから。それに…ローにはちゃんと本命の分があるんだから。いいでしょ?」
「そう言う問題じゃねェんだよ。おれの恋人である、お前が手作りした物をコイツらにあげるってだけで気に食わねェ。」
キャプテン…あんたどんだけお子様なんですか。という喉まで出かかった突っ込みは腹の奥に飲み込んだペンギンたち。
「もー!子どもじゃないんだから…。」
ぴしり。
「あ。」
クルー達が飲み込んだ言葉を軽く口にした名無しさんによってローの額に筋が何本か浮かぶ。
明らかに地雷を踏んだ事が分かった彼女も顔面蒼白。
「名無しさん、てめぇ…ちょっと来い。」
静かだけど怒気を含んだ声のローは軽々と名無しさんを担ぎ上げると、その場から連れ去ってしまった。
「いやー!助けてー!」
叫ぶ名無しさんの声も空しく響き、残されたクルーたちは心の中で手を合わせた。
「ねー、これ食べてもいいのかなぁ?」
「ベポ…お前ってやつは…。」