トリック・オア・トリート
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「さっき、ルフィにココアを渡そうとした時に駄目だって言ったろ?」
「うん。」
「名無しさんちゃんとルフィが間接キスすると思って嫉妬したんだ。カッコ悪いとこ見せちまったな。」
サンジは苦笑しながら煙草の火を揉み消した。
「ううん、全然カッコ悪くなんかないよ。」
「本当はこんなに可愛い仮装している
名無しさんちゃんの姿だって他の誰にも見せたくねぇんだ。」
「…サンジでも嫉妬するの?」
「そりゃあするさ!名無しさんちゃんだけだけどね。」
「私だって…ナミやロビンに嫉妬するよ?」
「そうだよな…。俺、こんなんだからさ…名無しさんちゃんのこと不安にさせてごめん。」
そう言って私をぎゅっと抱き締めてくれる。
仄かに香る煙草とサンジの匂いに包まれて胸がきゅっと苦しくなる。
「うん…大丈夫。私はサンジが好きだから。」
「名無しさんちゃん…俺も好きだよ。このまま食べちゃいたいくらい。」
「なっ…?!」
慌てて体を離すとニッコリ笑ったサンジ。
「そうだ、もう一つデザートがあったんだ。名無しさんちゃん、目閉じて口を開けてくれる?」
悪戯に笑う顔を見て、少しの期待と不安を抱えながら目を閉じた。
カサッと小さな音がして耳元でサンジが囁く。
「口、開けて?」
背中をぞくり、とさせながら私は小さく口を開けると。
コロン…っ。と丸くて甘い食感。
舌で転がせば口中に広がるイチゴ味。
想像していた物とは違う意外な物に私は目を開ける。
「あ、飴…?」
「そうだよ。美味しいだろ。」
「美味しいけど…なんで飴?」
「trick or treat。」
疑問に思う私にサンジは流暢な英語で返すと顔を近付けてきて、唇に柔らかな感触。
「ん…っ…!?」
舌先で唇を突つかれて口を開けるように催促される。
口を開ければ舌が侵入してきて。
ちょっと苦い煙草の味とイチゴの甘さに頭がクラクラする。
舌先で器用に飴を絡めとると名残惜しそうに離れる唇。
きっと今の私は耳まで赤くなっているハズだ。
「お菓子は貰ったから残念だけど悪戯出来ないな。」
「もうっ…もし私が飴をあげなかったらどうしたの?」
「もちろん悪戯してたさ。こんな風にね…。」
サンジの顔が近付いてきて再び重なる二人の唇。
二人の間をコロコロと行来する飴。
小さく溶けてなくなるまでキスは長く、唇は離れることがなかった。
fin.