トリック・オア・トリート
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お菓子をくれなきゃ悪戯するぞ!
trick or treat
宴好きの船長が誰に入れ知恵されたのか
「とりっく おあ とりーと!」と朝から騒いでいる。
今夜は船上ハロウィンパーティの日。
他のクルーもハロウィンパーティに乗り気で、今夜を楽しみにしていた。
ナミ、ロビン、名無しさんはこの日の為に衣装を手作りし、クルー全員分用意してある。
ブルックが音楽を奏でる中でお子さまトリオは好き勝手にはしゃぎ回っていた。
フランキーとロビンとナミはアクアリウムバーで既に一杯飲んでいる。
ゾロは鍛練した後、大鼾をかいて昼寝中。
そんな中ハロウィンパーティの準備に一人だけ大忙しのコック。
「サンジ、何か手伝おうか?」
私はカウンターの上に身を乗り出してキッチンを覗き込む。
「ありがとう。そんな事を言ってくれるのは愛しのマイスイートハニー、名無しさんちゃんだけだよ。」
「サンジったら大袈裟だよ。」
「赤くなっちゃってクソ可愛い。」
愛しの、とか可愛いとか恥ずかしくなるような台詞でも真っ直ぐ伝えてくれるサンジが私は大好きだ。
「こっちにおいで。」
キッチンの中に入るように促されて私はカウンターの席を立つ。
「じゃあ、そこのカボチャの中身をくり抜いてくれるかい?熱いから気を付けて。」
まな板の上にある蒸かしたカボチャを指差すサンジ。
「分かった。任せて。」
手を洗ってエプロンを身に付けるとスプーンを手に取り、カボチャの中身をくり抜いた。
その間にもサンジは休む暇もなく動き回り次々と料理を完成させていく。
「名無しさんちゃん。」
不意に私の名前を呼ばれて隣を向くと、料理を掬ったスプーン差し出されていて。
「味見してくれる?はい、あーん。」
あーん、だなんて恥ずかしい…。
だけど、せっかくサンジが食べさせてくれるんだし…。
意を決して口を開けると差し込まれるスプーンと喉を通る温かな料理。
「うん!美味しい。」
「お口に合ってよかった。」
ニカッと笑うサンジに思わず顔に熱が集まる。
「あ、あの…これ出来たよ。」
恥ずかしさからまともに目も見れなくて俯き、カボチャを手渡した。
「名無しさんちゃんありがとう。助かるよ。」