ビターorスイート
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
2月14日
女の子が好きな人に愛を伝える日
一年に一度勇気を出す日
小さなチョコレートに
沢山の愛を込めて
ビター or スイート
バレンタインデー二日前。
サニー号のキッチンでは夜中になっても明かりが消えることなく一人の影が忙しなく動いている。
クルーの一人、名無しさんだ。
「あー、また割れちゃったよ…もう最悪…。」
バレンタインデーの為にチョコを試作している名無しさんは何回目か分からない失敗に盛大な溜め息をつく。
「しょうがない、失敗作はまた皆に食べてもらおっと。」
時計の針は既に真夜中を指していて今夜は諦めた名無しさんはキッチンの片付けを始めた。
名無しさんがこんなに頑張ってチョコを手作りしているのには訳がある。
こういうキッカケでもないと名無しさんは相手に告白する勇気が出ない。
しかも、告白しようとしている相手は無類の酒好きで甘い物が苦手ときている。
それが彼女が頭を悩ませる原因でもある。
「やっぱりサンジの言う通り初心者にウィスキーボンボンは難しすぎたかなぁ。」
名無しさんはそんな彼に相応しいチョコを作成しようと毎晩奮闘していた。
でも、普通のチョコじゃ受け取ってもらえないかもしれないし…。
ゾロの大好物のお酒を使えばきっと食べてくれるはず!
拳をぎゅっと握った彼女は再び決意を強く胸に誓った。
「あと二日あるから頑張ろう!」
「ふぁ~あ。眠…。」
朝食が終わって食後のコーヒーを飲みながら名無しさんは大欠伸をしながら目を擦る。
「名無しさんちゃん眠そうだね。また夜中まで起きてたのかい?」
キッチンの中のサンジは、そんな彼女を見て苦笑した。
「うん…でも失敗ばかりで全然ダメなの。」
カウンターに突っ伏すと今にも落ちてきそうなくらい重たい瞼。
眠気に何とか耐えてサンジに返事をする。
「俺が手伝ってやろうか?」
「ううん、大丈夫。…サンジの気持ちは嬉しいけどゴメンね。ありがとう。」
うとうととした意識の中でも自分の意志はしっかりと伝える。
サンジに手伝ってもらったら上手く出来るだろうけど、そんなの私のチョコレートじゃないから。
やっぱり最初から最後まで自分の力で頑張りたい。
「うぉおー!君は何て健気なんだ!そんな名無しさんちゃんのチョコが貰えるだなんてマリモの奴…。」
「ウルセェな、何叫んでんだよ。外でナミ達が呼んでたぜ。」
サンジが大声で叫んだのもあるが、急にダイニングに入ってきたゾロの声で眠気なんて一瞬で吹き飛んだ。
「はいはーい!ナミさぁん、ロビンちゃん。今からレディ達のプリンスが参りますよー!」
サンジはティーポットを持つと、ハートをメロリンしてくるくる回りながら外に出て行ってしまった。
女の子が好きな人に愛を伝える日
一年に一度勇気を出す日
小さなチョコレートに
沢山の愛を込めて
ビター or スイート
バレンタインデー二日前。
サニー号のキッチンでは夜中になっても明かりが消えることなく一人の影が忙しなく動いている。
クルーの一人、名無しさんだ。
「あー、また割れちゃったよ…もう最悪…。」
バレンタインデーの為にチョコを試作している名無しさんは何回目か分からない失敗に盛大な溜め息をつく。
「しょうがない、失敗作はまた皆に食べてもらおっと。」
時計の針は既に真夜中を指していて今夜は諦めた名無しさんはキッチンの片付けを始めた。
名無しさんがこんなに頑張ってチョコを手作りしているのには訳がある。
こういうキッカケでもないと名無しさんは相手に告白する勇気が出ない。
しかも、告白しようとしている相手は無類の酒好きで甘い物が苦手ときている。
それが彼女が頭を悩ませる原因でもある。
「やっぱりサンジの言う通り初心者にウィスキーボンボンは難しすぎたかなぁ。」
名無しさんはそんな彼に相応しいチョコを作成しようと毎晩奮闘していた。
でも、普通のチョコじゃ受け取ってもらえないかもしれないし…。
ゾロの大好物のお酒を使えばきっと食べてくれるはず!
拳をぎゅっと握った彼女は再び決意を強く胸に誓った。
「あと二日あるから頑張ろう!」
「ふぁ~あ。眠…。」
朝食が終わって食後のコーヒーを飲みながら名無しさんは大欠伸をしながら目を擦る。
「名無しさんちゃん眠そうだね。また夜中まで起きてたのかい?」
キッチンの中のサンジは、そんな彼女を見て苦笑した。
「うん…でも失敗ばかりで全然ダメなの。」
カウンターに突っ伏すと今にも落ちてきそうなくらい重たい瞼。
眠気に何とか耐えてサンジに返事をする。
「俺が手伝ってやろうか?」
「ううん、大丈夫。…サンジの気持ちは嬉しいけどゴメンね。ありがとう。」
うとうととした意識の中でも自分の意志はしっかりと伝える。
サンジに手伝ってもらったら上手く出来るだろうけど、そんなの私のチョコレートじゃないから。
やっぱり最初から最後まで自分の力で頑張りたい。
「うぉおー!君は何て健気なんだ!そんな名無しさんちゃんのチョコが貰えるだなんてマリモの奴…。」
「ウルセェな、何叫んでんだよ。外でナミ達が呼んでたぜ。」
サンジが大声で叫んだのもあるが、急にダイニングに入ってきたゾロの声で眠気なんて一瞬で吹き飛んだ。
「はいはーい!ナミさぁん、ロビンちゃん。今からレディ達のプリンスが参りますよー!」
サンジはティーポットを持つと、ハートをメロリンしてくるくる回りながら外に出て行ってしまった。