新しい世界
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何も言えずにいる名無しさんに更にゾロは続ける。
「キッチンに入っていくお前を見て、いてもたってもいられなくなった。」
「名無しさんが俺を苦手でも俺はお前が好きだ。他の野郎に渡したくねェ。」
いつになく真剣な目をしたゾロは名無しさんの目を真っ直ぐ見て、そう言った。
ゾロが私を好きって…。
「え、えー!!?」
思ってもみなかった言葉に驚きの声を上げる。
「バカッ!でけェ声出すな!」
「んっ…!?」
慌てて私の口を手で押さえるゾロだったが時すでに遅し。
「ゾロに名無しさんったら何やってるのよ!サボってないでちゃんと掃除しなさいよね。」
ナミに見つかってしまった所でゾロは小さく舌打ちをする。
「チッ。お前の返事、今日中には聞かせろよな。」
コクコクと頷く名無しさんの口から手を離すとゾロは展望台への梯子を登って行ってしまった。
どうしよう…。
追い掛けて今すぐ私の気持ちを伝えてしまおうか。
勘違いしてるゾロに私もあなたの事が好きなんだと。
でも、少し落ち着かなきゃ…。
あんなに真っ直ぐに告白された事なんて勿論初めてで。
早鐘を打つ脈と火照った頬を冷ますように手で覆うと名無しさんは恥ずかしさで身悶えた。
今年も残り僅か。
夜は宴がひらかれて大盛り上がりの船上。
いつもより少し豪華な食事に舌鼓を打っていると前の席に座ったナミが話し掛けてきた。
「名無しさん、この船に乗ってからの生活はどうだった?」
海軍に追い掛けられたり海賊と戦う日常は毎日が刺激的だけど。
この船に誘ってくれたルフィには本当に感謝している。
「色々大変だけど、皆と居るとすごく楽しいよ。」
強い絆で結ばれた仲間に出会えて。
私の心はどんなに救われた事だろう。
「そう思ってくれたなら嬉しいわ。」
ナミがニッコリ笑ってくれた。
「よぉし野郎共、キャプテンウソップ様の新作御披露目会だ。全員甲板に集合ー!」
「なんだなんだ?」
ウソップに急かされてクルー達は甲板へと出て行く。
名無しさんも皆の後ろに続いて行こうとすると、席を立とうとしないゾロの姿が気になった。
「ゾロは見に行かないの?」
「あ?んなモン興味ねェ。俺は旨い酒が呑めればそれでいい。」
ぐいっとお猪口のお酒を飲み干すと空いた隣の席を指差した。