鎮痛剤
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
私はゾロが好き。
初めて会ったときは目付きが悪いし、上から睨まれてるみたいて怖くて苦手な存在だった。
だけど、打ち解けていくうちにゾロのいろんな表情を見た。
怖く見えて実は優しいところ。
誰よりも1番仲間思いなところ。
実は照れ屋で可愛いところ。
自分に厳しくて世界一の剣豪になるために努力を惜しまない。
そんなゾロに恋をするのに時間はかからなかった。
ついつい目で追ってしまう。
存在を探してしまう。
好きになった自覚はあるのに、あと一歩踏み出す勇気がなかった。
世界一の剣豪になるって目標を持った男の前では私の夢なんてちっぽけに思えた。
この気持ちが重荷になってはいけない。
それに、ゾロから1人の女として好かれている自信がなかった。
昨夜はつい流れで告白してしまったが、OKを貰える自信もなかった。
大好きな人の側に居られるだけで充分だ。
私は、ゾロの腹巻きをぎゅっと抱き締めた。
サンジは私がゾロの事を好きって知ってて告白してきた。
それでも1人の女性として好きなんだって…。
ナミや、ロビンの事が好きなんだと思ってたのに。
ゾロにフラれる覚悟は出来ている。
でも…。だからと言ってフラれたからって、ホイホイとサンジに乗り換えていいものなの?
そんなの…。
私ってズルい。
そろそろ約束の時間だ。
私が出した答えはー。
サンジとの約束の時間。
私はコッソリと部屋を抜け出してダイニングへ向かった。
コンコン
「どうぞ。」
扉を開けるといつも通り優しい笑顔のサンジ。
「名無しさんちゃん、ホットミルク飲むかい?」
「…うん。じゃあお願い。」
サンジがミルクを温める間、沈黙が私達2人を包む。
「はい。プリンセスの好きな蜂蜜入りの甘いホットミルクです。」
「ありがとう。」
カップを私に手渡すと、サンジは煙草に火をつけた。
「ふぅ~。それで?名無しさんちゃんの答え。聞かせてもらえる?」
「うん…。」
私はサンジの目を見つめる。
「ごめんなさい!」
「!」
「サンジの事ちゃんと考えた。だけど…やっぱり私はゾロが好きだから、サンジの気持ちに答える事が出来ないの…。」
「名無しさんちゃんがアイツにフラれたとしても?」
「うん…。それでもいいの。ただ見ているだけで…側に居られるだけで幸せだから。」
サンジの真剣な目を見れなくなって目を伏せる。
「ごめんね、サンジ…。」
「謝るなって。謝られると余計に情けなくなるだろ。」
「あ、…ごめん。」
「ほらまた。名無しさんちゃん、顔上げて笑って?プリンセスには笑顔が1番だ。」
「うん。わかった。」
「あ~あ。まりものクセに名無しさんちゃんにこんなに想われてクソ羨ましいぜ。」
サンジは私の前にバスケットを置いた。
「俺から最後のお願い。クソまりもが今日の不寝番だ。夜食、届けてやってくれねぇかな。」
「え。ゾロが不寝番?」
「もしアイツに泣かされたらいつでも俺の所に来いよ。クソ野郎を3枚にオロしてやるからな。」
「あはは。サンジ…ありがとう。こんな私の事好きになってくれて。」
「こんな、なんて言うなよ。もっと自分に自信持ちな。」
サンジは煙草の火を消して、私を送り出してくれた。