スノースマイル
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名無しさんはお尻に付いた雪をパンパンと叩いて払い落とした。
「まだ付いてるぜ。」
「え、どこどこ?」
お尻を振り返る名無しさんの頭をゾロの大きな手が包む。
「お前の頭の上。」
パッパッと雪を払ってくれるゾロの顔が妙に近くて恥ずかしくて。
寒いはずなのに頬は熱を持って紅く染まる。
「あ、ありがと…。」
「…おぅ。」
「ゾロだって頭に雪積もってるよ。今度は私が取ってあげる!」
手を伸ばせば指先がゾロの柔らかい髪に触れて雪がはらはらと落ちた。
「俺はいいっての。」
急にゾロが身を退いた為、名無しさんはバランスを崩しそうになる。
「わっ、」
「危ねッ…。」
抱き止められて感じるゾロの温かさ。
心臓がドキドキと煩い。
「ったく、危なっかしい奴。」
笑いを含んだゾロの声を耳元で感じて。
「ゾロが急に動くからでしょ!」
照れてるのを悟られたくなくてわざと不機嫌そうに悪態をついても彼は動じない。
愛おしそうに優しく髪を撫でて身体を離すと名無しさんの目の前に差し出された大きいゾロの掌。
「おら、手ェ寄越せ。また転ばれても困るからな。」
「あ…うん。」
遠慮がちにゾロの掌に自分の手を合わせれば、ぎゅっと握り返してくれた。
「お前の手、冷てェな…。」
雪を触ったせいで指先まで冷えきった名無しさんの手を包み込む大きなゾロの手。
ゴツゴツとしたマメだらけの彼の手。
私はこのゾロの手が大好きだ。
「しょうがないでしょ。女は冷え症なんだからね。」
「そうかよ。じゃあ、こうすりゃもっと温けェだろ?」
ゴソゴソと自分のコートのポケットを広げて繋いだ手ごと突っ込むゾロ。
「な?」
ニヤリと笑うゾロの表情に、繋がれた手が熱いくらいだ。
「うん…。そうだね。」
「お前またニヤついてんぞ。」
嬉しくて緩む頬は抑えられなくてまたゾロに指摘される。
「ゾロだって。」
鼻と頬を赤くさせて笑いあった。
白い息を吐く二人の足跡の平行線は続いていく。