スーパームーン
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落ちる光が少なくなって来た頃、漸く目を開けた名無しさんは満足そうに微笑んでいる。
「…何をお願いしたのか気になる?」
「どうせつまんねェ願い事だろ。興味ねェ。」
そう言ってゾロは残っていた酒を一気に流し込むと立ち上がった。
そんな様子に焦った名無しさんは慌ててゾロの袖を掴む。
「え、もう行っちゃうの?」
「あァ。酒も終わっちまったし寝る。」
ゾロは眠そうに大きく欠伸をして背伸びをすると縄梯子の方へ歩を進める。
「ま、待って。もうちょっと一緒にいようよ。ね?」
「ッチ。…そこまで言うなら仕方ねェなァ。」
舌打ちをしてはいるが、いつもの笑顔を浮かべたゾロの表情を見て嵌められたと気付く名無しさんだが時既に遅し。
「きゃっ…!」
ゾロに抱きかかえられるとあっという間に視界が反転して背中には冷たい床の感触。
「ゾロったら卑怯だよ!」
「おー、おー。何とでも言え。強気でいられるのもいつまでだろうな。」
ゾロは名無しさんの首筋に顔を埋めると赤い印を付ける。
「お望み通り一緒に居てやるぜ。」
結局、上手くあしらわれた名無しさんは大人しくゾロに身を委ねた。
* * * *
ねぇ。私がさっきお願いした事、教えてあげる。
“私たち二人、ずっと幸せでいられますように”って願ったの。
ゾロは鼻で笑って言った。
“星になんざ願わねェで俺に言え。名無しさんを世界一幸せにしてやる。”
私だけじゃなくてゾロの幸せも願ったんだけど。
ったく…いい加減言わなくても分かれよな。
“俺は名無しさんと一緒に居られればそれでいいンだよ!”
耳を赤くして言うゾロが、どうしようもないくらい愛おしくなって。
名無しさんはゾロに抱きついた。
fin.