鎮痛剤
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オレは男部屋の自分のベッドに横になった。
マジかよ…。
アイツの好きなヤツってェのはクソコックじゃなくて、俺の事だったンか。
名無しさんが見張り台でクソ野郎に抱きつかれてた姿を思い出すと、無性に腹が立った。
ッチ。
いつもなら瞼を閉じればすぐに寝れるが、さっきの場面がチラついて中々寝付けない。
好きって、一体なんなんだ。
オレの気持ちはどうなンだ?
考えれば考えるほどに分からねェ。
名無しさんは1番最近仲間になったヤツだ。
笑った顔はルフィに似て太陽みてぇだし、明るい性格で皆ともすぐ打ち解けた。
いつもふざけたことばっかり言い合ったが、時々1人で寂しそうな顔をして海の向こうを見ているのを知ってる。
その姿を見た俺は何だか心臓がザワついたのを覚えている。
クソコックが名無しさんにメロリンするのは当たり前の日常で何とも思ってなかったハズだった。
いつからだろう…アイツにメロリンしているクソコックと、楽しそうに笑っている姿を見ると訳も分からずイライラした。
アイツの寂しそうな顔は見たくねェ。
名無しさんは笑ってるのが1番だ。
だか、他の野郎と仲良く笑ったりするのは気に食わねェ。
…この感情は一体なんなんだ?
暗い海は地平線の彼方から段々と明るいグラデーションを帯びていく。
日の光を全身で浴びると気持ちがリセットされる気がする。
そろそろ皆が起きてきて船上も騒がしくなる。
さてと。
私は大きく伸びをすると、縄梯子を降りてダイニングへと向かった。
ガチャ
「サンジ…。早いね、もう起きてたんだ。」
「名無しさんちゃん…おはよう。朝1番に君の顔が見られてクソ嬉しいぜ~。」
「サンジったら。あ、食器と水筒。夜食美味しかったよ。御馳走様。」
「そこ置いといてくれるかい?悪いけど今手が離せなくてね。」
サンジは忙しそうに朝食の準備をしている。
「何か手伝おうか?」
「いんや、大丈夫。それより名無しさんちゃん。あれからアイツと何かあったかい?」
アイツってのはゾロの事だ。
「ううん…。何でもないよ。」
「でも名無しさんちゃん。アイツの腹巻きしてるのはどうして…?」
!
腹巻き…!忘れてた!
「あ、コレは…。昨日私がお腹痛かったからってゾロが貸してくれただけで…。」
「へェ…。あの、クソまりもにそんな所があったとはね。」
サンジは調理の手を止めると煙草に火をつけた。
「サンジに抱き付かれてた所も見られてたみたいで…私はサンジの事を好きだと思ってたらしいの…。」
「それで?」
サンジが煙草の煙を吐き出した。
「私が好きなのはゾロだ…って告白したの。」
「名無しさんちゃん。オレが昨日好きだって言った事ちゃんと覚えてる?」
「…うん。覚えてるよ。」
「名無しさんちゃんが、アイツの事を好きなのは分かってる。それでも…君が好きなんだ。」
「サンジ…。」
「で、クソまりもは何て?」
「…まだ好きとか分からないから少し時間をくれって…。」
「ハッ。鈍感なクソまりもらしいな。グズグズしてっとオレが先に貰っちまうからな。」
サンジは煙草を消すと、私に向かってこう言った。
「今日の夜12時。答え待ってるから忘れないでねプリンセス。」