特別な日
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今夜はゾロの誕生日の宴できっと大いに盛り上がる事だろう。
現に他のクルー達も誕生日プレゼントの買い物や、宴の料理の買い出しに出掛けている。
名無しさんはゾロと二人きりの束の間の時間を楽しんだ。
「ねぇ。私もプリッツ食べてみたいから一本ちょうだい。」
「ん?あァ。…丁度最後の一本だったぜ。」
ゾロはがさごそと菓子箱を漁ると残りのプリッツを名無しさんに差し出す。
「あ、そうだ!折角だからゲームしようよ。」
先程、町に買い物に出掛けた時に見た光景を思い出した名無しさん。
「ゲーム?俺はやらねェからな。お前ェのその顔、どうせロクな事考えてねェだろうが。」
ゾロは名無しさんの頬を軽く抓りながら言った。
「いひゃいよゾロ!もうっ。」
少し赤くなった頬を擦りながら名無しさんはニヤリと笑う。
「ふふ、そんな事言って…私に負けるのが怖いんでしょ。」
負ける…?
この俺がゲーム如きに負けるだと?
名無しさんは上手くゾロの神経を逆撫でしてゲームに参加させるつもりだったのだ。
「お前最近ナミの奴に似てきたな。まァいい。俺が負けるワケねェ!そのゲームとやら受けて立とうじゃねェの。」
「そうこなくちゃ!」
まず名無しさんはゾロにプリッツの端を咥えさせると忠告する。
「囓って折ったりしたらだめだからね?」
「おぅ。」
このゲームのルールは簡単だ。
二人で端から少しずつ食べ進めて口を離した方が負け。
そのまま最後まで食べると二人の唇は自然と重なり、キスする事になる。
「負けた方が勝った人の言うことを一つきくこと!それじゃあいくわよ。よーい、スタート!」
名無しさんもゾロとは反対側のプリッツを咥えた。
わっ…。
思っていたより距離が近くてゾロの顔が真正面にある。
ゾロは端っこを噛んだまま口角を上げてニヤリと笑うだけで食べ進めようとしてこない。
絶対負けないんだから…!
負けず嫌いな名無しさんはポリポリと少しずつゾロとの間を縮めていく。
心臓の鼓動がドキドキとうるさい。
名無しさんはゾロと鼻先が当たらない様に顔を傾けてプリッツを食べる。
二人の唇が触れるか、触れないかの距離に近付いて…名無しさんはぎゅっと目を閉じた。
こんなに至近距離で見るゾロの顔に限界を感じたからだった。
「…っ、もう無理ー!」