特別な日
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「ねー、ゾロ?」
「あ?」
船番をしつつ昼寝をしている彼を無理矢理揺り起こせば機嫌悪そうに片目を開けて私を見る。
「今日って何の日か知ってる?」
11月11日。
今日は名無しさんの恋人。
ゾロの誕生日。
特別な日
「…知らねェ。」
睡眠を邪魔されたゾロはプイッと顔を背けると再び目を閉じてしまった。
「あー!寝ちゃだめ!」
「ごふッ!」
お腹の上にダイブしてやれば反動で上半身を起こすゾロ。
その額には青筋が浮かぶ。
「ッ痛ェな!名無しさんてめぇ何しやがる!」
「はい、コレどうぞ。」
ゾロのお腹の上に馬乗りになったまま名無しさんは怒られた事を気にすることなく、彼の目の前に一本のお菓子を差し出す。
「あ?何だよこれ?」
意表を突かれた表情をするゾロの額から青筋が消える。
「さっき町で買ってきたの。ポッキーってお菓子なんだって。」
「お前なァ、そんなモンの為に俺を起こしたンか。」
最早、怒りを通り越して呆れた様に溜め息をつくゾロ。
「今日、ゾロの誕生日でしょ?だからあげる。」
「あー、そうだったか?って何でよりによってこの菓子なンだよ。」
俺が甘いの苦手なの知ってるだろ。と付け加えて、ゾロはポッキーを取ろうとしない。
「11月11日はポッキーの日だって売り出してたから…あ。プリッツって甘くないお菓子の日でもあるんだよ。はい、どうぞ。」
変に準備が良い名無しさんはゾロの為に他のお菓子を取り出すと、彼に渡した。
「まァ、甘くない菓子なら仕方ねェ…喰ってやるか。」
ポリ…とプリッツを食べるゾロと、ポッキーを食べる名無しさん。
「…どぉ?」
ポリポリと無言で食べ終えたゾロの反応が気になって問う。
「悪くねェ、こりゃあ酒が欲しくなるな。」
「ふふふ、そう言うと思って…じゃーん!」
名無しさんは馬乗りになっていた彼の上から下りると、自分の荷物の中から酒瓶を取り出した。
「えらく今日は気が利くじゃねェか。」
口角を上げつつ酒瓶を受け取るゾロの表情を見て名無しさんは嬉しくなる。
「ゾロの誕生日だから奮発したの。喜んで貰えたなら良かった。」
ゾロは栓を開けて酒を飲み始める。
名無しさんはそんな彼の隣に座るとプリッツを三本渡す。
「はい。ゾロは三刀流だからプリッツも三本ね。」
「意味が分からねェ…。」
ゾロはボソッと呟きながらも大人しくプリッツ三本喰いをした。