微熱
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ゾロは薬と水を口に含むと名無しさんの唇を塞いだ。
「んー!…っ…ふ…。」
厚い胸板を叩いて押し返すが力の入らない名無しさんではビクとも動かず背中に手を回されて腕の中に抱き寄せられる。
無理矢理唇を割って入った舌と流れ込む液体をコクンと飲み込むと離れる唇。
目尻に涙を潤ませて熱い息を吐くと名無しさんはベッドに倒れ込んだ。
「もうっ…いきなり何するのよ。」
「薬飲ませてやったんだろ。それ、気を付けろよ。他の男に見せんじゃねェぞ。」
ゾロに言われて布団を胸元に引き寄せるが妙に弁えた行動のゾロに呆気に取られる。
「それとも何か?襲って欲しいなら加減は出来ねェ。」
「なッ!?」
どうしてこの男は熱が上がりそうな事ばかり言うのだろう。
「冗談だ。俺に病人襲う趣味はねェからな。その代わり元気になったら…分かってるよなァ?」
口角を上げる彼の顔に一瞬にして顔に熱が集まるのを感じた。
私の熱を上げるだけ上げといて行き場の失った熱はどうすればいいのよ。
「知らない!」
ぷいっと背を向けてやれば温かな彼の手が降ってきて名無しさんの頭を撫でる。
「お前が寝るまでここに居てやるよ。」
「…。」
今日のゾロは意地悪したと思えば優しくなってみたり…一体どうしちゃったんだろう。
ゆっくりと体をゾロの方に向き直して頭に置かれた手をそっと手に取って繋いでみる。
「…もう寝ろ。」
口調は乱暴だが優しい眼差しを向ける彼の手の温もりに安心して微笑むと名無しさんはそっと目を閉じた。
* * * *
完全に風邪が治った名無しさんと。
風邪が移ったゾロが看病してもらう事になるのは三日後の話…。
fin.