微熱
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その意地悪な笑顔は
私の熱を上昇させて
頭をくらくらさせる
きっとこれは
風邪のせい
微熱
風邪引いたのなんていつ以来だろう。
名無しさんはぼんやりと天井を見つめて熱で働かない頭で考えた。
ずっと寝ていても暇だなぁ…。
だからと言ってベッドから抜け出そうものなら船医が黙っているはずがない。
仕方なくベッドでごろごろしていると部屋の扉がガチャリと開いた。
「体調はどうだ?」
扉の隙間から顔を覗かせたのはゾロで、手には土鍋をプレートに乗せて持っている。
「ちょっと、ノックしてから入ってきてっていつも言ってるでしょ?着替えてたらどうするの。」
「あ?細けェ事は気にすんな。食事持ってきてやったからよ。」
彼はベッド脇の椅子に座って土鍋の蓋を開けると中には白い湯気の沸き立つお粥。
「うーん、まだ食欲ない…。」
布団を鼻まで被って名無しさんはゾロを恨めしそうに見上げた。
「少しでも喰え。薬飲めねェだろ。」
名無しさんは少し考えて小さく呟いた。
「…なら。」
「あ?」
「ゾロがフーフーして食べさせてくれるならいいよ。」
あ、赤くなった。
「バッ…ンな事出来るか!」
「ゾロったら照れちゃって可愛いー。彼女が病気の時くらい甘えさせてくれたっていいじゃないの。」
「てめッ…可愛い言うな!熱あるくせに口だけは達者だな。そんなに言うなら食べさせてやるから起きろ。」
その言葉を聞いてノロノロと布団を剥いで起き上がろうとするが高熱の影響で思っていた以上に体はダルくて重かった。
「大丈夫か?ほら、喰え。」
ゾロは名無しさんの背中を支えると、お粥を一匙掬って差し出した。
「ちゃんとフーフーしてくれなきゃ嫌。」
「ッチ、めんどくせェな…。」
文句を言いながらも蓮華に乗ったお粥をしっかり冷ましてから名無しさんの口に運ぶ。