みちしるべ
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ど、どうしよう…。
ゾロに触れている体が熱い。
心臓が口から飛び出しそうなくらいドキドキと脈を打つ。
ぼーっとゾロの後頭部を熱視線で見つめていたら急に声を掛けられる。
「おい。」
「はぃい?!ごめんなさい!」
「ぷっ、何謝ってんだよ。面白れェやつ。そんなに体離してると危ねェからもっとしっかり掴まってろ。」
おんぶされてるだけでもこんなに緊張しているのに。
もっと密着しろだなんて心臓が持たないよ…。
でも、こんなに近付けるチャンスなんて早々ない。
私はゾロの背中にぴったりと体を寄せた。
密着した背中は温かく、歩く度に揺れる振動が心地いい。
ゾロってなんだかお日さまみたいな匂いがする。
「…お父さん…。」
「ばッ…誰がお父さんだ!」
「あ、ごめん…何かゾロの背中って広くてお父さんみたいだなぁと安心してたらつい。」
「ったく、ビビらせんな…それよりここはどこだ?」
私達はいつの間にか更に森の奥深くまで迷いこんでしまったようで、辺りは薄暗く気味の悪い鳥の鳴き声が響く。
「えぇ?!町までの帰り道が分かってて歩いてたんじゃなかったの?」
「俺ァそのつもりだった。」
自信満々に間違えてるよ…方向音痴もここまでとは。
運良く洞窟を見付けた私達は中に入ると適当な場所に腰を下ろす。
日も落ちてきて暗い森をこれ以上行動するのは危険だと判断しての事だった。
ゾロは枯れ葉や小枝を集めて焚き火を起こした。
「足、痛むか?見せてみろ。」
「あ、うん…。」
ゾロが足首をグッと掴んで曲げたり伸ばしたりする度にビリっとした痛みが走る。
「っ…。」
「少し腫れてるな…軽い捻挫だろ。」