テレパシー
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「嬢ちゃん誰かお探しかい?手伝ってやるよ。」
後ろを振り返った私の前には…いかにも不良じみた大柄の男が二人。
こういう奴は毅然とした態度で返すのが一番だ。
「いいえ。間に合っているのでご心配なく。それじゃあ…私は急いでいるので。」
踵を返してその場を立ち去ろうとするが男の手はそれを許さない。
「おいおい。せっかくこの俺様が親切にしてやってるのにそりゃないだろう?」
「よく見りゃ可愛いじゃねえの。こっちに来な!」
女一人が男二人に絡まれているというのに町の人々は皆見てみぬ振り。
男の一人が私の持っている洋服の入った袋に手をかける。
「やめて!あんた達みたいな下品な奴と遊んでいる暇はないの!」
「この…っ!下手に出てりゃいい気になりやがって!」
男が拳を振り上げた。
や…ッ殴られる…!
私は身構えて目をぎゅっと閉じた。
「ぎゃぁあ!!」
降ってくる拳の衝撃の変わりに聞こえてきたのは何とも情けない声で、そっと目を開けると…。
ゾロの広い背中と、逃げていく男達。
「ッチ…誰の女に声掛けてやがる。身の程を知れ。」
キン!と刀を収めて私に向き直った。
「名無しさん、大丈夫か?」
ゾロは私をぎゅっと私を抱き締めてくれる。
その温もりに安堵して体が震えて勝手に涙が溢れてくる。
「も…ッ…怖かったんだからぁ…。」
そんな私をあやす様に頭をよしよしと撫でて、申し訳なさそうに言った。
「遅くなって悪りィ…迷っちまってよ。」
「ばかゾロ!どこ行ってたのよ。」
「…これ、買いに行ってたんだ。」
シャラ…と首にかけられたのは細いチェーンの首飾りで、トップには小さいピンクの石が付いているものだ。
思いもよらない出来事に驚いて涙は止まり、私は目を見開いた。
「コレ…さっき私が見てた首飾り…どうして?」
洋服屋に入る前、露店商に寄った時に手にとっていた首飾りだった。