交差する想い
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いつの間にか私の中のゾロへの想いがこんなにも大きくなっていた。
ゾロが好きなの。
…お願い、誰のものにもならないで。
私は扉に背を向けて泣いていたため、人が入ってきた事には気が付かなかった。
「名無しさんちゃん、どうして泣いてるの?」
突然降ってきた声に肩を震わせて振り返れば、声の主はまるで私の心情を写すかのように痛々しい顔をしている。
「…サンジ…。」
ジャケットをそっと私の肩にかけると手を掴まれて、引っ張られた先はサンジの腕の中。
仄かに香る煙草とサンジの匂いに優しく抱き締められて。
「プリンセスに涙は似合わないよ。」
そう呟いたサンジは私の頬を伝う涙の跡を拭った指をぺろりと舐めた。
「しょっぱいな。」
なんて苦しそうに笑うサンジ。
「俺、名無しさんちゃんが好きなんだ。仲間になった時から…ずっと。」
突然の告白に吃驚して涙は止まった。
「え…、…。」
でも、君の目線の先にいるのは俺じゃなくていつもアイツだった。
ずっと見てたから分かるんだ。
俺の気持ちなんて気付かなかったでしょ?と言うサンジに申し訳なくなる。
「俺は名無しさんちゃんを泣かさない。泣くようなツライ恋なんて…やめちまえよ?」
サンジが私を抱き締める腕に力がこもる。
でも、私はその背中に手を回す事は出来なかった。
「テメェ、そこで何してる。」