鎮痛剤
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「あ、ううん。何でもないの~。」
ナミは手をヒラヒラと振って誤魔化す。
「ねえ、サンジ。アイスコーヒーのお代わり貰えるかしら?」
「あ、私もお願いね。サンジ君。」
ナミのウィンクが飛んだ。
「んナミさぁ~ん。ロビンちゃ~ん!かしこまりっ。直ぐに持ってくるから待っててねぇ~~。」
キッチンへ戻りコーヒーを淹れる準備に取り掛かる。
「カチッ…。ふぅ~。」
肺に吸い込んだ紫煙を溜息と共に吐き出す。
お湯が沸く間、氷を砕く手が止まる。
名無しさんちゃん…。
最初はナミさんやロビンちゃんと同じようにプリンセスの1人だった。
いつからだろう。
君だけを特別な存在として見るようになったのは…。
でも。
既に名無しさんちゃんの心ん中には俺ではない違うヤツがいた。
俺が気付くくらいの分かりやすい態度なのに、あのクソ野郎の鈍感さには呆れるぜ。
「おっと。お湯が沸いたか。」
適度に沸いたお湯で丁寧にドリップする。
濃いめに淹れたコーヒーを砕いた氷が入ったグラスに注ぐ。
ガチャ
「お、コーヒーか。丁度いい。俺にもくれ。」
ッチ。噂をすればなんとやらか。
「あぁん?てめぇにやるコーヒーはねぇよ。コレはナミさんとロビンちゃんのだ。」
「へいへい。またお得意のラブコックか。じゃあ勝手に漁らせてもらうぜ。」
「クソまりもが…。この鈍感野郎!」
それを聞いたゾロの額に青筋が立つ。
「んだって?俺が鈍感って言ったンか?」
「あぁ、言ったね。この状況で他に誰の事言うんだよ。脳ミソ筋肉バカが。」
「クソコック。やけにいつも以上に突っ掛かってくるじゃねェか。ナミにでも振られたか?」
「そんなんじゃねぇよ。」
自分でも分かっている。
八つ当たりもいいとこだ。
名無しさんちゃんに好かれてるくせに気付かないてめぇが気に食わないんだよ!
俺は見透かされそうな視線から逃げるようにアイスコーヒーを持って、後ろ手で扉を閉めた。
……
長い時間寝ちゃってたみたい。
チョッパーから貰った薬が効いたのか、お腹の痛みもなくなった。
すっかり冷めてしまった残りのお茶に口を付ける。
そろそろ夕飯の時間かな。
あんまり食欲ないけど…ダイニングに行ってみよう。
ダイニングに行くと、もうメンバーは揃っていた。
「あら名無しさん、今から呼びに行こうと思ってたの。もう調子はいいの?」
「うん。薬も飲んだし、少し寝たから大丈夫。」
「サンジ、お茶ありがとう。美味しかったよ。」
「可愛い名無しさんちゃんにそう言って貰えてクソ嬉しいよ。」
「おーい!サンジ!早くメシ!」
「うるっせぇ!」
空腹に耐えかねたルフィが騒ぎだしたので料理が所狭しと並べられていく。
「名無しさんちゃんには特別メニューの野菜スープです。」
コトっと私の前に美味しそうな湯気をたてたスープが置かれた。
「わぁ、美味しそう!食欲なかったけどコレなら食べられそうだよ。」
「なんだ名無しさん、食欲ないのか?ならオレが全部食ってやる。」
テーブルの1端っこに居るルフィの手が伸びてきて私の料理を次々と持っていく。
「あ、勝手に名無しさんちゃんの料理を…てめッ…!」
「サンジ、大丈夫。私にはスープあるから。」
「そうかい?でも足りなかったら言ってくれよ?」
「うん。ありがとう。」
スープを掬って一口流し込む。
…やっぱりサンジの作る料理は美味しい。
温かいスープが気持ちまで温かくしてくれるみたい。
「おい、名無しさん。」