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夕暮れ時の空は真っ赤に染まり、頬を撫でる風は少し冷たくなってきた。
二人して芝生に寝転べば隣のゾロは欠伸をして大きく伸びをした。
「寝てもいいよ。私も一緒に寝るから…。」
手を伸ばしてサラサラと緑の髪に触れれば気持ち良さそうに目を細める。
「んな勿体ねェことするかよ。せっかく二人きりになれたんだぜ?」
私の上に大きな影を落とすように覆い被さって、息がかかるくらい顔が近付く。
「ちょっ、近いってば…!」
肩を押し返そうとしても彼は退くどころか獲物を狙うような目付きで私を見る。
「ほんとは期待してたンだろ。」
言葉と同時に降ってきた唇は優しくて、温かかった。
「ん…。」
何回か唇を重ねると、ゾロが私の髪をわしゃわしゃと掻いた。
「わっ…急に何するの!?」
「あー!お前可愛いすぎんだよ…。」
顔が赤いのは夕焼けのせいか…。
起き上がって私に背を向けるゾロがすごく愛おしくて、大きな背中に抱きついた。
「ゾロ好き…大好き…。」
「俺も好きだ。」
向かい合って抱き合うだけで愛されてるなあって伝わってくる。
熱い目線が絡むとゾロが口を開いた。
「名無しさん、誕生日おめでとう。」
「えへへ…ゾロに言われるのが一番嬉しい。ありがとう。」
いつになく真剣な眼差しの彼にドキっと肩が跳ねて頬を染める。
「私…ゾロに会えて嬉しいし、誕生日一緒に居れて幸せだよ。」
「あぁ、名無しさんが望むのならこの先ずっと祝ってやるよ。」
ゾロがそう言うのなら本当に実現しそうで嬉しくなった。
「ね、ゾロ…。」
少し背伸びをして彼の頬に口付ければ、舌打ちをして。
「ッチ。…止めらンなくなるだろうが。」
再び私の唇を塞いだ。
二人の唇は名残惜しそうにゆっくりと離れて銀糸を引く。
「…だぁ~め。そろそろ船に戻らないと皆心配してるよ。ルフィもお腹すいたって騒いでそうだし。」
「確かに、違いねェ。」
ククッと肩を揺らして笑うゾロと、それを見て微笑む私。
日も落ちて辺りは暗くなってきた。
まだ二人で過ごしたいが仲間が私達の帰りを待ってくれている。
人生で一番幸せな誕生日になりそう。
「仕方ねぇな…帰るか?」
「そうだね。」
差し出された手を繋ぐと、船への帰り道をゆっくりと歩いた。
“私のお願い聞いてくれる?”
“ゾロと二人きりで過ごしたい”
高価なアクセサリーや、綺麗な服よりも二人で過ごす時間がなによりのプレゼント。
fin.