鎮痛剤
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はぁ。またやっちゃった。
何でもっと優しく言えないのかな。
私って本当可愛くない。
ゾロともっと話すチャンスだったのにな。
私は小さく溜息をついた。
「名無しさん待たせたな。痛み止めあったぞ。」
チョッパーから粉薬が入った小瓶を受け取ると、お礼を言って女部屋へ向かった。
女部屋の自分のベッドに倒れこむ。
「はぁ~。早く生理終わってよ…。」
小さく丸まってお腹の痛みに耐える。
コンコン
「名無しさんちゃん、俺だけど入っても大丈夫?」
サンジだ。
「あ、うん。大丈夫だよ。」
私はベッドから上半身を起こす。
「お腹大丈夫かい?薬飲むと思って水も持ってきたよ。」
サンジは水の入ったコップを手渡してくれる。
「ありがとう。サンジは優しいね。」
「可愛いプリンセスの為ならお安いご用さ。それとコレはカモミールティーだ。」
ティーポットからカップにお茶が注がれる。
「わぁ。いい香りだね。」
「だろ?気分も落ち着くだろうと思ってね。」
「うん。少しは気が紛れそう。ありがとう。」
「では、ごゆっくり。名無しさんちゃん無理しないで休んでね。」
サンジが出ていった後、薬を飲んでティーカップに口を付けた。
「ん。温まるなあ。」
静寂に包まれた部屋で思うのは一人の男の事。
「ゾロ…。」
そっと、その男の名前を口に出してみる。
改めて声に出すと、恥ずかしさで顔が熱くなる。
いや、熱くなったのは温かいお茶を飲んだせいだ。
「…。寝よ。」
瞼を閉じれば浮かぶのは愛しい人の顔。
願わくば彼の夢が見られますように。
名無しさんは扉の外にまだサンジが居た事には気付かなかった。
「…。」
チョッパーの部屋を出たゾロは甲板に居た。
…あいつと話すと何でいつもこうなっちまうンだ。
まァ。一々反応が面白いし、からかいがいがある。
先程の出来事を思い出してゾロは笑いを飲み込むと、芝生の上に寝転んだ。
目を閉じたら浮かんでくるのは名無しさんの事。
聞こえてくるのは、ルフィ達が魚釣りをして騒いでいる声。
そして、ナミ達の話し声。
「名無しさん大丈夫かしらね。」
一瞬、あいつの名前が出てきた気がして耳を澄ます。
「あの子、我慢しちゃうところあるからダメなのよ。痛いなら痛い!好きなら好きって言えば良いのに。」
「ウフフ。あら、それとこれとは話が違うと思うけど。」
「だって見ていてイライラするじゃない。」
「そうかしら。鈍感な2人がこれからどうなっていくか見てると楽しいわ。」
好き?
名無しさんが誰かの事好き?
…俺には関係ねェ話だ。
なのに何故か胸の辺りがモヤモヤする。
イライラする。
「…ッチ。」
昼寝どころじゃなくなった俺は舌打ちした。
起き上がると頭をガシガシっと掻いて鍛練する為ジムへと歩を運んだ。
そんなゾロの背中を見てほくそ笑む2人の女の視線には気付かなかった。
「ふふ。面白くなりそうね。」
「サンジ君には悪いけど、こうでもしないといつまでたっても平行線のままなんだから。」
「俺がどうかしたって?」