恋煩い
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立ち去るロビンの背中を見て名無しさんはまた溜め息。
きっと大丈夫って言ってた…。
「…少しの勇気…かぁ。」
名無しさんがこの船に乗ってから数ヶ月経つ。
ゾロの鋭い目付きは周りの者を遠ざけるが、私は違った。
大きな野望の為に鍛練を怠らないストイックな精神と、仲間思いの熱い心。
所謂一目惚れだ。
ゾロの事が好きで好きで、どうしようもない。
彼の事を考えるだけで、胸がドキドキして眠れない。
無意識に目で追っていたり、一つ一つの言動に一喜一憂してはまた溜め息。
そんな激しい気分の浮き沈み。
これを恋と呼ばないで何と言うのだろう。
「恋煩い…ね。」
「あァ?」
ロビンはゾロの隣で、ポツリと呟く。
クルー達は食事を終えていたので、キッチンには2人だけだった。
「名無しさんの事よ。あなたも気付いてるんでしょう?」
「…さァな。」
ゾロは酒を煽って誤魔化した。
目線は隣のロビンを見ずに、遠い目をしている。
想うのは名無しさんの事ばかり。
毎日毎日、穴の空くほど見つめられれば俺だって気付かないわけがない。
視線を向ければ反らされる瞳に心がモヤモヤする。
決して交わることのない目線。
俺の事が嫌いなのか?
日頃の鍛練にも今一身が入らず酒に逃げてしまう。
名無しさんの好きなヤツってのは俺じゃねェのか?
自問自答を繰り返す日々。
「…意外と女々しいのね。」
「あァ?テメェな…。」
「名無しさんの事が好きなんでしょう?告白も出来ないで見ているだけなんて…女々しいわ。」
「…ッチ。」
ロビンが言うのが最もなので反論しようにも出来なかった。
「女々しくて悪かったな。」
居心地の悪さを感じて頭をガシガシと掻くと、キッチンを後にした。