香り
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「それは体に聞いてみねェとな。」
名無しさんの後頭部に手を回すと逃げられない様に引き寄せて、唇を重ねた。
「んっ…!」
甘酸っぱい。
レモンシャーベットの味のキス。
名無しさんの体からは、アイツの煙草の匂いに混じって嗅いだことのない匂いがした。
俺の好きな石鹸の香りではなく、コックの煙草の匂いってだけで胸くそワリィのに何なんだ。
思わず眉間に皺が寄る。
「名無しさん、お前何か付けてるだろ。」
「…香水のこと?」
潤んだ二つの瞳が俺を捕らえる。
「んなモンどこから手に入れた?」
「サンジがくれたんだよ…。」
名無しさんはばつが悪そうに目を伏せた。
またアイツの名前が出てきた事に俺は更に苛立つ。
「ほぉ。二人きりでコソコソと料理はするわ、コックに貰った香水なんざ付けてどういうつもりか知らねェが…。」
「コソコソじゃないよ!本当に料理教わってただけだもん。それに香水だって…!」
名無しさんは叫ぶとジムから逃げ出した。
「ッチ…待てって!」
捕まえようと慌てて伸ばした手は空を切った。
名無しさんが立ち去った後の場所には香水の残り香が漂い、俺の頭をクラクラさせた。
…名無しさんの後を追いかけるより、クソコックの所だな。
標的を定めると、キッチンへと歩を進める。
バン!!!
ゾロが扉を勢いよく蹴破るとキッチンにいたのは、コックとナミの2人。
「まりもテメェ!もうちょっと静かに入って来れねぇのか!」
「…オマエ、名無しさんに何をした?答え次第ではブッた斬る。」
怒りを堪えて淡々とサンジに問うゾロ。
「テメェは頭まで筋肉バカか?!恋人の名無しさんちゃんの事が分からなくてどうする。足りねぇ頭で考えな。」
「俺に喧嘩を売った事、後悔してやる。」
ゾロは刀をゆっくり抜いた…。
「止めんか!あんた達はいっつも…。」
ゴン!と頭に強い衝撃。
「痛ってェな!おいナミ、テメェなにしやがる!」
「強いナミさんも素敵だぁ~。」
鉄拳制裁を受けたにも関わらずメロリンなハートを飛ばすサンジ。
「サンジ君も話をややこしくさせないで。名無しさんの為なんだから。」
「あ?どういう事だ。」