香り
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波は穏やか。天候は晴れ。
小春日和の中、俺はいつものように甲板で昼寝をしていた。
寝ている俺の元に近付く足音。
隣に座った気配で分かる。
俺の愛しい彼女。
「…名無しさん…か。」
名前を呼ぶと、起きたと思ってなかったらしく驚きの声をあげる。
「わ、ゴメン。起こしちゃった?」
「いや、いい。…大丈夫だ。」
目を開けて上半身を起こし、名無しさんの頭を撫でる。
「もう。そうやってまた子供扱いするんだから。」
口ではそう言うが、その仕草に目を細めて嬉しそうに微笑んだ。
「ハッ!そんなんじゃねぇよ。おめェが可愛いからだ。」
まァ、実際俺より年下だ。
それに、ほら。すぐ赤くなる顔がおもしれぇ。
名無しさんは照れた顔を見られたくなくて俺の肩に頭を預けてくる。
長い髪の毛が風に靡くと石鹸の香りが鼻を掠めた。
「…いい匂いすンな。」
「…さっきお風呂入ってきたから…。」
俺の好きな名無しさんの匂いだ。
するり…。とシャツの裾から手を滑り込ませようとすると、ビクンと肩が跳ねた。
「ちょっ…ゾロ!ダメだって…。」
俺の手を上から押さえ付けて抵抗する名無しさん。
「誰も来やしねぇよ。」
「くぉらぁ!テメェ…名無しさんちゃんに何してやがる!」
「チッ。」
クソコックが来た隙に名無しさんは体を離した。
「何って、俺の女だ。問題ねぇだろ。」
とんだ邪魔が入り熱も冷めちまった。
「問題大有りだ!プリンセスにはおやつを持って参りました。テメェの分はキッチンだ。勝手に食え。」
相変わらず変わり身の早いヤツ。
「サンジありがとう。」
ラブコックに笑顔を向けて皿を受け取ってる名無しさんが気に障る。
「どういたしまして。マリモ!名無しさんちゃんの嫌がる事するんじゃねぇぞ!」
コックは俺をビシッと指差すと、キッチンへ戻っていった。
隣の名無しさんは、おやつのケーキを美味しそうに頬張っている。