不眠
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「絶対笑わない?」
私は恥ずかしくて俯いた。
「あぁ、笑わねぇから言ってみろ。」
私がゾロと付き合い初めて2ヶ月ちょっと。
恋や、愛だのに絶対興味なさそうなこの男から告白された時は心底驚いた。
同時に、嬉しくてどうにかなってしまいそうだった。
私もこの船に乗った時からずっとゾロの事が好きだったから。
口下手な彼が耳まで真っ赤にして照れながらも一生懸命伝えてくれた言葉は、今でも覚えている。
「1回しか言わねえから…よく聞いとけ。俺は名無しさんが好きだ。」
ゾロから告白された日以来、私達は恋人同士になった。
しかし…。
好きって言葉は本当に告白の時のたった1回しか言ってくれなかった。
口下手だとは思ってたけど、これほどまでとは。
好きとか愛してるとかもう少し言葉に出して伝えてほしい。
私は自分の気持ちを伝えてるはずだ。
「ゾロは私の事好きじゃないの?」
と聞いたって、
「んな事言わなくなって分かるだろ。察しろ。」
と返されるのがオチだ。
好きな人から、愛されているって思えるだけで心がどれだけ満たされるのか
分かってないのね。
なんか…私ばっかりゾロのこと好きみたいじゃん?
でも、ウザい重い女だとは思われたくない。
さらに奥手ときたもんだ。
キスどころか、手を繋ぐこともなく早2ヶ月。
あの野獣ゾロが全く手を出してこないなんて、そんなに私って魅力ないのかな。
本当に私達付き合ってるのか不安になるよ…。
「…言いてェ事はそれか?」
「そうだよ。私の気持ちも知らないくせに。」
こんなに自分の気持ちを素直に伝えたのは初めてかもしれない。
ゾロはバンッと両手を床について謝った。
「お前が真剣に悩んでるのにドコに笑う要素があるか知らねェが…名無しさん、すまない悪かった。」
確かに俺は口下手だし、しょっちゅう好きだの言ってるラブコックみたいなキャラじゃねぇ。
名無しさんが好きって言ってくれるだけで俺は満足しちまってた。
言わなくても分かってくれていると勝手に思っていた。
名無しさんのこと大事にしてやりてぇから、どう接すればいいか考えれば考えるほど分からなくなったんだ。
眠れなくなるほど不安にさせてたなんて俺はお前の恋人失格だな。