ぬくもりとやさしさ
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「ちょ、ゾロったら近いし!」
「あ?お前が風邪引かねェように温めてやるんだよ」
確かにお酒を飲んでいたゾロの体温は上がっているみたいだ
…いやいや
お風呂に入ってきたから私の体も十分温まっている
もう温かいどころじゃなくて全身の血液が滾るくらいに暑くい
「名無しさん、緊張しすぎ。体ガチガチだぜ」
ゾロはククッと喉を鳴らして笑う
背中から私と同じくらいドキドキしているゾロの鼓動も感じる
耳の後ろに微かにかかる息がくすぐったい
「ゾロ、大丈夫だから…」
こんな体勢で緊張するなって方が無理だから
体は温まるけど違う意味で全然大丈夫じゃない
心臓が持たないよ
体を捩って脱出を試みるが、逞しい腕がガッチリとホールドしていてびくともしない
緊張でしっかりと握りしめていたジョッキも取り上げられ変わりにゾロの大きな手が私の手を包み込む
手の関節や指の間をなぞるゾロの指
「…そんなに嫌かよ?あのクソコックならいいのか?」
「嫌なわけないじゃん…って、何でそこでサンジの名前?」
振り返る様に少し後ろへ顔を向けると
肩に頭を埋めて擦り寄ってくる
さらさらとした髪の毛の感触が頬に当たった
ゾロがこんなに甘えてくるのも珍しい
というか、こんなこと初めてかもしれない
ちょっと心臓がきゅんと音を立てる
もしかして酔ってるのかな
「…今日は、悪かったな」
暫くの沈黙の後、ポツリとそう言ったゾロがの手が
私の腕に伸びてくるとまだ付いて新しい傷に触れてくる
それを見て、あっ…と思った
今日、敵船との戦闘でつけられた切り傷
完全に私の力不足のせいで敵に押し負けた
私がその攻撃を受けた時、敵の背中にサンジの蹴りが炸裂したので最悪の事態は免れたのだった
「もしかして、気にしてるの?」
「もう二度と傷付けさせねェ…オレが必ず守る」
ゾロの強い意志の言葉は胸に響く
「うん…ありがとう」
体を抱き締める腕に力が籠った気がした