ぬくもりとやさしさ
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「あとさ、…はッ…くしゅんっ!」
春島が近い気候と言っても夜はまだ冷える
急いでいて乾ききっていない髪の毛はしっとりと冷え
夜風によって徐々に私の体温を下げていたのだ
「ッたく、しょーがねェなぁ。ガキじゃねぇんだから髪くらいちゃんと乾かしてこい」
呆れながら少し笑ってゾロは私の後ろに回ると、面倒くさそうに言いながらも肩に掛けていたタオルで髪の毛を拭いてくれた
近付くとふんわりと鼻腔をくすぐる
男性の、ゾロの匂いにドキドキした
「ゾロ、ありがと‥」
「風邪ひくなよな。チョッパーが心配するだろ」
優しい手付きと声色は心地よく私の感覚を刺激する
「あはは。ゴメン、そうだね気を付ける」
体調崩せば船医であるチョッパーにも、ゾロや皆にも心配かけてしまう
…今日みたいに迷惑になるような事はしたくない
「おら、あとは自分で拭けよ」
言い方はぶっきらぼうだけど
ゾロの大きな手がポンポンと頭を撫でてくれて
拭いたらボサボサになった髪の毛も手櫛で整えてくれる
髪を梳くゾロの指先が首筋に触れてビクッと肩を揺らす
「もうそのくらいで大丈夫だから」
さっきから心臓の鼓動がうるさい
声も何だか上擦って震えてしまった
ゾロに気付かれてないかな
「今日は疲れたでしょ?あとは私が見張りしているからゾロは部屋でゆっくり休んで…」
「俺が居たら邪魔なのかよ?」
背後から耳元で囁かれた低音が響いて
ドキリと心臓が大きく跳ねる
「邪魔だなんて、そんな事あるわけないじゃん」
強がってはみたものの
じりじりと更に背中に近付いてくる気配にどくどくと脈が早くなる
狼狽える私の事などはお構いなしに彼は毛布を広げるとすっぽり私とゾロ自身の体を包み込む
ゾロの足の間に私の体は収まり
後ろから抱き締められている体勢だ
背中に胸板からの熱を感じる