2+1(in three years)
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ゾロが昼間とった魚の宴も終わりそれぞれが休むため自室に帰って行く
ミントはルフィとウソップたちに散々遊んでもらっていたのに
まだ遊びたいと駄々を捏ねたのでゾロが半ば無理やり寝室へ連れて行った
俺が見てるからたまにはゆっくりと風呂入って来いよ
とゾロが送り出してくれたので
一人で湯船に浸かり癒やされる時間を過ごした
子どもと一緒に入ったりするとどうしても自分の事は後回しになってしまう
そんな時、ゾロが娘と二人で一緒に入ってくれたり
たまに家族三人で入ったりもしてお風呂タイムを楽しく過ごせるのも嬉しかったりするけどね
お風呂から上がり身支度を整えると私たち家族用に与えられている部屋に入る
そこに娘の姿はなく、ベッドに仰向けで本を読むゾロ一人だけだった
私が入って来たのに気付くと本をサイドテーブルに置き、ごろんと横向きになりベッドの端を空けてくれる
「パパ、ミントは?」
「あぁ、遊びたりねェってグズってたらナミが絵本の続き読んでやるとか言って今夜は女部屋に泊まりだ」
そういえばこの前うそつきノーランドっていう絵本読んでもらっていたなぁと頭の片隅で思った
以前、そこまでしてもらうのは悪いよって言ったら
ナミ達は夫婦二人だけの時間も必要でしょ、とたまにミントを預かってくれて寝かしつけまでしてくれる
「そうなんだ…」
皆が心からミントの事を愛して、協力してくれて
本当に、言い表せないくらいの感謝の気持ちでいっぱいで心があたたかくなる
甘やかされているのは娘だけじゃなくて
私も十分甘やかされているのかもしれない
ベッドに入り、ゾロの隣に体を横たえると
彼のごつごつした大きな手が降ってきて私の長い髪を優しく梳いたり撫でつけてくる
私を見る彼の目はいつだって優しい
髪の毛を一房手に取ったゾロの
「いい匂いだ」
と、ぽつりと呟かれた低音の声で
空気が変わったのを感じた
ゆっくりと私の上に影を落としてくるので
目を閉じれば唇に柔らかくてあたたかい感触
ほんの数秒触れただけで体がじんわりと熱くなる
娘の居ない二人の時間は恋人同士の時に戻ったみたいで少し恥ずかしくてまだ馴れない
重なり合った唇にそっと指先で触れてみる
ドキドキと鼓動が早くなるのと頬に熱を持つのを感じれば見上げるゾロの顔もミントの前で見せるパパではなく、男の表情になっていた
「ふふ。…パパったら可愛い」
手を伸ばしてゾロの頭を撫でてみる
自分の照れ隠しのためにゾロを茶化すと彼も耳をほんのり染めて反論した
「なッ、可愛いだぁ!?いい加減パパ呼び止めろ。俺はお前のパパじゃねェ」
「ゾロ、ごめんごめん。」
「名無しさん」
急に名前を呼ばれてギュッと心臓が掴まれたみたいに収縮する
ゾロの手は頭を撫でているところから
徐々に下がり、頬から顎へ、
首から鎖骨へと指先が触れて
ぞわぞわと背筋から何かが這い上がってくる
私もゾロの頭から手を下げて首筋の後ろで腕を絡ませた
ゾロは私の体を跨ぎ馬乗りになると首筋に顔を埋めた
* * *
「ねぇ、ゾロ。私すごく幸せだよ」
「んだよ、急に」
ゾロに腕枕されて、彼の左手は私の髪の毛の先を指に絡ませたりして弄ぶ
「可愛い娘と大切な仲間と、大好きな旦那様がいてくれるから」
呼吸をする度に上下する胸に手を置くと、ゾロが手を合わせてくる
「あぁ、俺もお前と同じだ」
その手にはお揃いのシルバーの指輪が光っている
「名無しさん、愛してる」
そう言っておでこに優しいキスをくれた
fin.