真っ白の空からふわふわと雪が舞い散る

冬島の近くを航海中の麦わらの一味の船上は雪が降っても、凍える寒さでも関係なく今日も騒がしい

「コラー！あんたたち、遊ぶのはいいけど危ないでしょ！
気を付けなさいよ！」

「ちぇ〜ッ、ナミのやつすぐに殴るんだもんなぁ」

雪合戦をしていたらナミに当たって怒られるルフィとチョッパー

いつものようにゲンコツを喰らってしぶしぶ雪合戦を中断させると、その奥で巨大雪合戦像作り勝負をしていたフランキーとウソップにまざる

さすが、器用な二人だけあって精巧な雪像が並んでいる

それを見るルフィとチョッパーの目が輝いた


「カッコイイー！フランキー将軍の像だ！」

「こっちもスゲェだろ、エルバフの戦士だぞ！」

降ってくる雪の勢いの方が更に強くなってきて甲板は直ぐに真っ白に覆われてしまう

イタチごっこで雪掻きしている自分が虚しくなり、手を止めて遊んでいるクルーたちの様子を見ていた

「ふぅ。暑…」

雪かきの労働で逆に汗ばんでくるくらいで被っていた毛糸の帽子を思わず脱ぐ

そこへ


「ままー！」


もこもこのコートを着せられてマフラーと手袋も身に着けてダルマみたいに完全防備され、雪に足を取られながらも一生懸命私の元へ駆けて来る女の子



彼女の名前はミント

３年前に生まれたゾロと私の娘

足元に来て私を見上げる彼女を抱き上げるとにっこり笑った


「ゆき、すごいねぇ〜！」

私の腕の中で空を仰ぎ両手をいっばいに広げて雪を全身で楽しんでいる

「寒くない？大丈夫？」

「うん！」

きらきらと真っ直ぐな瞳とこの笑顔が大好きだ

大切な私の宝物