ホワイトクリスマス
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「メリークリスマス!バラティエへようこそ。」
「いらっしゃいませ。」
「ご予約のお客様ですね。」
「ありがとうございました。」
「またのお越しをお待ちしております。」
クリスマス時期のケーキ屋さん、侮っていました。
本当にごめんなさい。
24日の忙しさを経験してから、また次の日もかと気が重くなったけど引き受けたからには仕方がない!
と、気合いを入れ直してはみたものの。
雪が降る夜もお客さんの波は途切れる事なく、続いている。
25日クリスマス当日も同じくらいの忙しい時間を過ごしてクタクタだった。
「皆、今年もありがとう。君達のお陰で無事にクリスマス乗り切れたよ。」
最後のお客さんをお見送りしてclosedに札を返したサンジ店長が労いの言葉を掛けてくれる。
いつも爽やかな笑顔を浮かべているイメージのサンジ店長だけど、流石に疲労の色は隠せていない。
皆が帰り支度を始め、バックヤードに下がって行く。
「名無しさんちゃんもお疲れ様。帰りに皆にちょっとしたプレゼントあるから持って帰ってね。」
「はい。店長もお疲れ様でした。」
「そう言えば名無しさんちゃん、いい人いないって言ってたけど外に待ってる彼は違うのかい?」
「ゾロ!?」
裏口から勢いよく出てみれば、やっぱりそこには想像していた彼が立っていて。
雪の降るなか、傘も差さないで髪の毛には少し雪が積もっている。
「おう。名無しさんか。」
「おう、じゃないでしょ!こんな寒い中何やってるの。」
少し背伸びをして頭に積もる雪を払ってやり、ポケットに突っ込んだままの手を取る。
「手だってこんなに冷たくなって…。バイト終わるの待っててくれたの?」
「違ェ…ただ、たまたま通り掛かっただけだ。」
鼻の頭を赤くして、バレバレな嘘をつくゾロに思わず笑ってしまう。
「ふふ。あ、そう。ゾロがそう言うならそれでいいけど。」
「もう手ェいいだろ。お前の手が冷えちまう。」
あ、咄嗟に手繋いだままだったと冷静になってみると恥ずかしい。
自分の傘を広げてゾロの頭上にも掲げてみせた。
「じゃあ傘、一緒に使おうよ。」
二人で同じ傘に入ると、店の窓からサンジ店長が手を振っていた。
「名無しさんちゃん、メリークリスマス。いい夜を。」
「ありがとうございます。店長もメリークリスマス。お疲れ様でした。」
お辞儀をすると隣のゾロが私の傘を奪い取り、持ってくれる。
「ッチ、へらへらしやがって。」