ホワイトクリスマス
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「名無しさんちゃぁん!君みたいな可愛い子がバイトに入ってくれるなんて俺は何て幸せ者なんだぁぁ~~!」
全身からハートを飛ばす勢いでくねくねと不思議な動きをする男性…。
バイト先の店長を前にして私は隣のナミに目で訴える。
「ちょっとサンジ君!名無しさんが怖がってるから止めてくれますか?」
高校生のバイトに君呼びされる店長…大丈夫かな。
大変な事を二つ返事で引き受けてしまったと少し後悔。
「あぁ、ナミちゃんゴメンね、可愛い子を見るとつい。でも一番は君…」
「はーい。じゃあ私達は店出てるんで。」
店長の言葉を遮って、ナミは私の手を引きながら店へ出る。
ここは街でも美味しいと評判のケーキ屋さん“バラティエ“。
「名無しさん大丈夫?バイトやれそう?」
ナミが一応心配してくれたみたいで私の顔を覗き込む。
スイーツの味は申し分ないが、店長のサンジさんに少し問題ありでバイトの人も長続きしないらしい。
「うーん…何とか頑張ってみる。」
やるって言ったからにはそう簡単には辞める訳にはいかない。
私にも意地がある。
少し笑顔を作るとナミに返した。
カラン…。
「あ、お客さん。」
「いらっしゃいませ~。」
私はその笑顔をベルの鳴ったドアの方へ向けた。
さすがに街で人気のケーキ屋さんなだけあって連日お客さんが多い。
授業が終わってから真っ直ぐバイト先へ向かう日が続いた。
学校から出るとき、道場の方を見てみるけどゾロらしき姿は遠くからじゃ見えなくて、分からなかった。
今日もバラティエへ向かう。
忙しく働いていると時間なんてあっという間に過ぎていく。
ゾロの事を考える暇もなく。
「名無しさんちゃん、上がっていいよ。ご苦労様。」
「店長お疲れ様でした。」
お店も閉店時間間近になり客足も少なくなる。
バックヤードから声を掛けられて店から下がった。
「仕事はどう?少しは慣れてきたかな?」
「まだまだ全然…ケーキ屋さんの仕事、こんなに大変だなんて知らなかったです。」
「名無しさんちゃんはよくやってくれて助かるよ。それで、来月のシフトなんだけど…24、25日は出れるかい?」
24日と25日。
あぁ、クリスマスか…。
「その日はすっごい忙しくなるから皆嫌がってね…彼氏彼女いる人達も出たがらないし。」
そう言ってサンジ店長は珍しく困った様に眉を少し下げた。
「私、両方空いてるんで大丈夫ですよ。シフト入れて下さい。」