不器用な恋
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「ゾロ!鍛練終わったんだ。お疲れ様。」
バースデーケーキの手伝いをしていると開けられた扉の先に居たゾロの姿に過剰反応してしまった。
慌ててサンジと距離をとったけど、変に思われてないかな。
こちらに近付いてくるゾロの表情を盗み見る。
うわー。眉間に皺あるし。
明らかに不機嫌そうな雰囲気を体全体から醸し出したゾロ。
今日鍛練の手伝い行けなかった事、相当怒ってるよ…。
「あ、あの~ゾロ。今日行けなくてごめんね。」
急いで弁解の言葉を述べようとするけど、ゾロの一言に遮られた。
「飲み物。」
「…え?あ、あぁ!飲み物ね。はい、鍛練お疲れ様。どうぞ。」
冷えた飲み物をゾロに手渡すと、それを一気に煽った。
喉渇いてたのに悪かったなぁ。
なんて思っていると隣のサンジが爆弾投下。
「おい、クソマリモ。名無しさんちゃんは明日の準備で忙しいんだから飲み物くらい自分で用意しろよ。」
「んだと?」
ぎらりと鋭い目線を向けて、飲み干せなかった液体が口元から首を伝う。
あ、何だか色気感じる。と一瞬違う事が頭を掠めたけど二人の間に散る火花の大きさに現実に戻される。
ゾロが腰の物に手を掛けたので流石にまずいと思って間に割って入った。
「ちょっと、ゾロもサンジも止めてよ。明日は大事なお祝い事なんだから穏便にいこうよ。ね?」
そう言いつつゾロが刀にかけた手の上から手を重ねてて、刀から手を離すよう促した。
「ッチ、誕生日なんざ旨い酒が飲めればいいんだよ。」
「てめぇ、皆が頑張って準備してんのにその言い方はないだろ!」
「名無しさんちゃんだってなぁ、お前の誕生日ケーキ作るの手伝いたいって言ってきたんだぞ! 」
そっか…。
ゾロ甘いもの苦手だったもんね。
料理とお酒あれば、ケーキはいらないかぁ。
じゃあ私ったら手伝うところ失敗しちゃったかな。
でも…。
年に一度しかない、ゾロが生まれた特別な日はお祝いしたいよ。
「サンジいいよ。…ゾロ勝手な事してごめんね。でも私達ゾロの誕生日お祝いしたいから…。」
「…。」
ゾロは相変わらず苦虫を潰したような顔のまま私達に背を向けるとキッチンから出ていってしまった。
それから何とか気を持ち直してケーキも完成させて、誕生日当日を待つだけとなった。
「じゃあ、サンジありがとね。」
「上手くいくといいね。あのクソマリモに泣かされたらいつでも待ってるからさ。」
サンジにお礼を言ってキッチンから出たところで、甲板の隅に寝転がったゾロの姿を見つける。
やだ、お昼寝中?
もうすぐ夕方に差し掛かる頃で風も冷たくなってきている。
私は急いで自分の部屋へ行き目当ての物を引っ付かんでゾロの元へと戻った。