Kiss
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(3)
「あの~ゾロ?」
私は困惑しながら斜め後ろに顔を向ける。
「なんだ?魚でも跳ねたか?」
そんな事お構いなしのゾロが釣竿を持つ手は私の前で組まれていた。
要するに後ろから抱きかかえられた状態なのだ。
絶対一人で釣りした方が体勢的にも楽だと思うんだけどな。
だけど彼がそれを許すかが問題で。
「いや…違くて。私、ここにいて邪魔じゃない?」
「邪魔だと思ってたらこんな変な釣りの仕方しねェだろ。いいから糸の先見てろ。」
あ、自分でも変って事は自覚あるんだ。
「でも…皆目のやり場に困ってるみたいだし、ね?」
遠巻きに私達二人を見つめる視線が痛い。
ナミとロビンが興味津々にニヤニヤしているのは何時もの事だとして。
他の皆に見て見ぬふりをさせているのも申し訳なく思う。
そして何より私が恥ずかしい。
「恋人同士一緒に居て何が悪ィ。」
そう自信満々に答えられては返す言葉も無い。
恥ずかしさと嬉しさで何だか顔が一気に熱くなる。
一緒に居るのは良いことだ。
私もゾロと一緒に居たいもの。
だけどこんなに密着していては私の心臓がもたない。
「そういうのは見せ付けてやるくらいの気持ちでいろ。なァ、名無しさん?」
ゾロの唇が首筋に押し当てられて、チリッとした痛みを感じる。
「また跡付けた!せっかく消えてきたところだったのに…隠すの大変なんだからね。」
漸く薄くなってきた首筋の跡に重ねる様にして新しい赤い華を咲かせたゾロ。
「隠す?名無しさんは俺のモンだって奴等に教えておかねェとだろ。」