Kiss
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(2)
私がこの船のクルーになってから早半年。
こんなチャンス二度とないと思った。
これを逃したら次はない…!
人は、追い詰められると時に大胆になれるのだ。
*
「やっ…えー!私が船番?しかもゾロと?」
「あんた一瞬喜ばなかった?」
船番を決めるくじ引きで見事赤色を引き当てたのは私とゾロの二人。
「冗談!私も買い物行きたかったし、ゾロと船番なんて最悪よ。だって寝てばっかりなんだもん。」
疑いの目で見るナミには何でも見透かされていそうで出掛けるのを急かす様に背中を押した。
内心、飛び上がるくらい嬉しかった。
ゾロに心惹かれたのは船に乗ってからすぐ。
それからずっと私の片思いだった。
目が合うだけでドキドキして。
食事の席で隣同士肩が触れあう距離になるだけで緊張した。
ただ、閉鎖された船という空間の中で二人きりになれる時は巡ってこなかった。
皆が出払ったのを見計らってさっそくゾロは芝生に寝転ぶ。
「ちょっと、もう寝るつもり?敵が襲って来たらどうするの?」
「そん時ァ起きる。俺を誰だと思っていやがる。」
フッと自信満々に笑みを湛えるゾロにぐっと言葉を飲み込む。
駄目だ。
二人きりになれたのは良いけど身が持たない…。
「じゃあ私は中に居るから。何かあったら呼んでよね。」
「あァ。」
ゾロは短い返事と欠伸をすると目を瞑ってしまった。