フェスティバル
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私の体は一瞬にして熱くなる。
「あ、ありがと。ゾロがそんなこと言うなんて珍しいね。」
「…名無しさん。」
いつになく真剣な口調のゾロに名前を呼ばれて。
「俺は名無しさんに惚れてる。」
「え…。」
聞き間違いかな。ゾロが私に惚れてるって?
「名無しさんが他の奴らに惚れていようがカンケーねぇ。俺はお前が好きなんだよ。 」
「えっと…。私もずっとゾロの事が好きだったんだけど。」
ゾロはその返事が意外だったとでも言うように一瞬目が見開かれたかと思うと、緩む口元を右手で覆い隠す。
「やべ、すっげぇ嬉しい…。」
「ね、私のこと好きって本当?」
「俺が嘘ついた事があったかよ。」
そう言って鼻を摘ままれる。
「痛いー!ゾロ離して…。」
「ハハッ。」
想いが通じ合った2人は、どちらからともなく手を繋ぎ、2つの影が寄り添ってひとつになる。
「ゾロの手って大きいね。なんだか安心する。」
肩にもたれ掛かっているとお互いの心臓の音が聞こえてしまいそうなくらいドキドキしている。
心地よい緊張感に身を委ねれば、ゾロの顔が近付いてきて…。
私は軽く目を閉じた。
「…。」
いつまで待っても触れない唇を不思議に思って薄目を開けると目の前に口角を上げたゾロの顔。
「名無しさん何期待してンだ。」
「…っ…。」
ダメだ。至近距離でみるその顔は破壊力がありすぎる。
「して欲しかったら言えよ。」
「ゾロの意地悪っ。無理無理無理!」
「じゃあおあずけだな。」
ゾロの顔が離れていく。
あ。
「待って!言うから…目、瞑ってて?」
「わーったよ。」
ゾロは仕方なく目を瞑った。
じっ…とゾロの顔を見る。
整った顔。意外と長い睫毛。通った鼻筋。
「カッコいい…。」
と溜め息混じりに呟いた。
「おめェはなぁ…早くしろ。」
怒った口調だが、カッコいいと言われて満更でもない様子で若干顔が赤い。
「ゾロ、キスして…。」
今にも消え入りそうな声だったのに、ゾロは目を開けるとニヤリと笑った。
「了解。」
名無しさんの後頭部に手を回すと、ゾロの…少しカサつく唇が押し当てられる。
「ん…。」
私、ゾロとキスしちゃったんだ…。
込み上げてくるものがあり、胸が一杯になる。
名無しさんはぼ~っと名残惜しそうにキスの余韻に浸った。
「おい。そんな顔してると襲うぞ。」
「えっ…襲うって…?!」
「…少し黙ってろ。」
さっきとは違う荒々しく深く甘いキス。
「ンっ…!」
ヌルヌルとゾロの舌が口内を暴れまわる。
ぴちゃっと銀糸を引きながら唇が離れた。
「はぁっ、ゾロ!苦しいって。」
「わりィ。んな可愛い顔すンな。名無しさん愛してるぜ…。」
そんなこと言うのは反則だ。
「私も、ゾロ大好き!」
今度は私からゾロの首の後ろに手を回すと触れるか触れないかくらいの短いキスをした。
やっと繋がった2人の想い。
大切に育んでいこう。
この先何があっても離さない。
隣で笑顔でいてくれるだけでいい。
大事な愛しい人。
fin
⇒オマケ。