スノードーム
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「そんなに雪乗せてきて…ゾロも風邪引いちゃうよ。」
「こんぐれェ大丈夫だ。それよりまた熱上がったんじゃねェ?目も充血してんぜ。」
ハラハラと雪を落としながらゾロは椅子に座ると私の額に触れる。
外に出ていたゾロの手は冷たくて、気持ち良かった。
「辛ェなら横になってろ。」
「うん、そうさせてもらうね。」
ベッドに寝転がり、ゾロの手を掴む。
「起きたらゾロが居なかったから一人で出掛けちゃったと思って寂しかったの…。」
「あァ、悪ィ…町に用事があったんだよ。」
ゾロは繋がれた手を離すとポケットを探り、掴んだ何かを握らせた。
「?…なに?」
「プレゼントだ。お前、雪とイルミネーション見たがってただろ。」
名無しさんの手に乗せられた物は小振りな球体だが、ミニチュアの家とツリーが入ったスノードーム。
部屋の明りに反射して中に降る雪がキラキラと輝く。
「キレイ…。」
周りのことなど忘れて思わず見入っていると、ゾロが言った。
「来年は本物見ようぜ。」
「え…。」
「何馬鹿面してんだ。当たり前ェだろ。」
それって…。
来年もゾロと一緒に過ごせるってこと?
ずっと付き合っててくれるってことなのかな。
思いもよらない来年の約束が嬉しくて
名無しさんは溢れそうな笑顔を浮かべて返事をした。
「うん。絶対ね!」
「おぅ。俺は約束破ったことねェだろ。だから早く風邪治せ。」
自信に満ち溢れた顔で口角を上げたゾロは、名無しさんの頭を乱暴に撫でる。
そこに、外からルフィの声が響いた。
「おーい、ゾロォ!お前も宴に来いよー!チョッパーの誕生日だぞ。」
「…だってさ。言ってきなよ。私は大丈夫だから。」
「アイツら…よくあの雪の中で宴やれるな。」
半分呆れて苦笑したゾロだったが、その場を動こうとはせずに名無しさんの方に向き直る。
「俺が居なくて泣いてた奴は置いてけねェよ。」
「ゾロ…いいの?」
「俺一人ぐれェ居なくたっていいだろ。」
本当はまた一人になるんじゃないかと思ってた。
だけど、ゾロが居てくれると分かってすごく嬉しい。
「ありがとう。私、頑張って風邪治すからね。」
ゾロは優しい眼差しを名無しさんに向ける。
頬笑み合った二人の側にはキラキラとスノードームが輝いていた。
fin.