inarticulate
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「主役…?何の事だ。」
「あら、余計な事まで言い過ぎたわね。ふふ。」
ロビンはそれ以上言うことなく、その場を去って行く。
何なんだ一体。
今日が何だってんだ。
いくら考えても何も浮かばない。
ロビンに言われたからではないが少し頭を冷やしてこようと、ゾロは風呂場に向かった。
* * * *
風呂から上がると、外は夕焼け空が広がっている。
すると、上から名無しさんの声が聞こえてきた。
「ナミー、みかん少し貰ってもいい?」
「いいわよ。ところで、ゾロの事はほっといていいの?」
俺が下で聞いているとも知らずに二人は会話を続ける。
「えー?大丈夫だよ。だって…私が隣に居てもゾロっていつも鍛練か寝てるだけなんだもん。」
その口調はどこか寂しそうに小さくなっていく。
「ったくあの筋肉バカは…名無しさんっていう可愛い彼女がいて余裕ぶっこいてんじゃないわよ。私が一回シメとこうか?」
クソッ、ナミの野郎…筋肉バカだと?
一言、言ってやろうと喉から声が出かけた時。
「ううん、大丈夫!私はゾロのこと大好きなんだもん。だから今日もゾロに喜んで欲しくて頑張ってるんだから。」
「早く戻らなきゃ。あと少しで完成なの。ナミ!みかんありがとね。」
パタパタと下りてくる足音が近付いてきて、思わず身を隠してしまう。
みかんを抱えた名無しさんの後ろ姿がキッチンの扉へと消えた。
「…ですって。今の聞こえたでしょ?」
「あァ。」
「名無しさんはああ言ってたけど、大事にしてあげなきゃ許さないからね。」
「あァ…お前に言われなくても分かってる。」
ゾロは芝生の上に寝転がると、オレンジ色の空に流れる雲を眺めた。
名無しさんの事は十分大事に思っている。
名無しさんから告白された時は正直驚いたが、俺も同じ気持ちだったからOKした。
好きだの、愛してるだの口にすることは俺の変なプライドが邪魔をしていて。
その気持ちを言葉に出した事はない。
だが、名無しさんに伝わっていて彼女も同じ気持ちでいるだろうと勝手に思っていた。
名無しさんの寂しそうな口調が思い出される。
「ゾロー!ゾロ?あ、こんな所にいた!」
遠くから俺を呼ぶ名無しさんの声が聞こえてきて身体を起こす。