inarticulate
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1年に1度の特別な日
大好きな彼の
喜ぶ顔が見たかった
ただ、それだけ
inarticulate
昼寝から目を覚ますと隣で寝た筈の名無しさんの姿が見えない事に気付く。
クソコックが名無しさんの名を呼んでいるのが聞こえ、体を起こすと展望台から下を見た。
そこには大量の食料を持って倉庫とキッチンの間を忙しなく行き来している名無しさん。
ー・・・と、コック。
「名無しさんちゃぁん~重いものは俺が手伝うのに~。」
鼻の下を伸ばしてハートの煙を吐くラブコックの顔と、俺が見ているとも知らず嬉しそうに笑っているアイツの顔は俺を苛立たせるには十分だ。
居ないと思ったらコックと何してやがる…。
二人は荷物を運び終わったのか、キッチンに篭ると出てこなくなった。
クソコックの野郎、名無しさんに何かしたらタダじゃおかねェ…!
額に青筋を立てたゾロが展望台から下りてキッチンへ近付く。
それは端から誰が見ても怒っている形相で。
触らぬ神に祟りなし。
そんなゾロに普段なら絶対近付いてこないだろう人物が道を塞いだ。
「待て待てゾロ!お前は今日、キッチンには立ち入り禁止だ。」
「あ?意味分からねェ…邪魔だウソップ、其処をどけ。」
尚も前へ進もうとするゾロの服を後ろから引っ張るチョッパー。
「ゾロ!とにかく今日はダメなんだ。大人しくしててくれないと俺達の命が危ないんだ。」
見えない何かに怯える二人を見て、ゾロは仕方なく足を止めた。
「ったく、わーったよ。キッチンに入らなきゃいいんだろ。」
「おお!ありがとうゾロ君、やっぱり君は話が分かる奴だね。」
バンバンと背中を叩いてくるウソップを煩そうに横目で見ながら足元にいるチョッパーにゾロは言った。
「キッチン中に名無しさんがいる筈だ。呼んできてくれねェか?」
「分かった。俺、行ってくるよ!」
チョッパーが扉を開けた隙間からキッチンの中が少し見える。
さっきと変わらず笑顔をコックに向ける名無しさん。
そして目をハートにしているコックは馴れ馴れしく手を肩に置いていた。
その近すぎる二人の距離を見て、扉を今すぐにでも蹴破りたい衝動に刈られる。
「まー!まー!心配なのは分かる!だけどチョッパーが名無しさんを連れて戻ってくるまで待ってくれ!」
必死になってゾロ止めようとするウソップ。
「あの野郎、それ以上名無しさんに近付いたら斬る…!」