体温
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この俺が風邪だなんて何年ぶりだ?
頭はガンガンするわ
身体は寒気で震えてきやがる
こんなもん寝てれば治るが
アイツがいねェと何だか落ちつかねェ
体温
ゾロは医務室のベッドに寝転がり天井を見つめた。
「…。」
船は無人島に停泊中で彼が熱を出してから二日目の朝。
扉の前では船医であるチョッパーが見張りの為、常駐しているので下手に出歩けない。
先日だって隙を見て鍛練しようと抜け出したらベッドに引き戻されたのだ。
「ただの風邪だろ。鍛練が足りねェ証拠だ。一汗かけば治る。」
「風邪だからって油断しちゃダメだ!治るまで一歩も外には出さないからな。」
鼻息を荒くするチョッパーを横目で見て溜め息をつくと、背中を向けた。
確かに口には出さないが頭は締め付けられてる様に痛むし。
悪寒で身体が勝手に震える。
こりゃまだ熱あがりそうだな…。
ゾロは熱でボーッとする頭で思った。
* * *
キッチンにて。
「名無しさんちゃん、そう気を落とさないで。」
サンジに慰められている彼女の手に持つ鍋には食べ物とは思えない物体が湯気を立てている。
「やっぱり私にお粥を作るなんて無理だったのかな。」
シュンと肩を落とす名無しさんの頭を優しく撫でるサンジ。
「うわっ、名無しさんなんだソレ!食いモンか?」
キッチンに入ってきたルフィが鍋の中身を目敏く見付けて叫んだ。
「ルフィにまで言われるなんて…やっぱり私には料理の才能が無いのね。」
サンジの慰め虚しく名無しさんは流れる涙を拭いてキッチンを飛び出した。
「このクソゴム…っ!名無しさんちゃんが気にしてることを!」
ドガァァン!
ルフィにサンジの蹴りがヒットして吹っ飛ばされる事となる。
名無しさんは医務室の前にくると扉の前に座っていたチョッパーが立ち上がった。
「チョッパー、ゾロの体調はどう?」
「まだ熱がある状態で安静が必要だ。治るまでもうしばらくかかりそうなんだ。」
「そっか…。」
ゾロが熱を出したって聞いた時に真っ先に思い浮かんだのは私が風邪をひいていた時の事。
ゾロは風邪をひいて寝込んでいた名無しさんに口移しで薬を飲ませた。
きっとその時に風邪がうつっちゃったんだわ。
だからゾロが風邪をひいたのは私のせい…。
責任を感じて看病しようにもチョッパーに阻止され。
お粥一つまともに作れないんじゃ意味がない。
「ねぇ、チョッパー。私も何か力になれる事ってないかな?何でもいいから…。」
腕に縋り付き懇願する名無しさんの姿を見てチョッパーは心打たれて重い口を開く。
「実は…。」