赤い糸
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「んなモン信じてンのか。」
「いいでしょ。神秘的じゃない?」
「ハッ、くだらねェ…。」
掴んでいた名無しさんの手をポイッと離してゾロは寝転んでしまう。
「もうっ…。」
離された左手は空しく広げられたまま、名無しさんも仰向けになった。
「でもね、私の赤い糸の先はゾロに繋がっていればいいなぁって思ったの。」
小さく呟いた名無しさんの言葉。
風に書き消されたか。
風に乗って彼の耳に届いたか。
ゾロはむくりと起き上がると刀を手にする。
「…ちょっ、ゾロ?」
慌てて起き上がる名無しさんを尻目にゾロはスラリと刀を抜き。
自分の左手小指の空間と名無しさんの左手小指の空間を斬った。
刀を収めたゾロは名無しさんの背後に座ると、彼女の身体を包み込む。
「何ッ?ゾロったら急に…どうしたの。」
「お前と俺の赤い糸とやらは斬ってやった。」
「え…何でっ?!」
後ろを振り向かなくても彼の口調でニヤリと口角を上げたことが分かる。
「どこの誰かも分からねェ奴と繋がってる糸は斬って、俺とお前のを結ぶ。」
後ろから伸びたゾロの手は名無しさんの身体の前で彼女の手を握って離さない。
「俺ァ運命なんざ信じねェ。未来は自分で切り開くモンだろ。」
「うん。ゾロらしいね。」
後ろから抱き締められている恥ずかしさとくすぐったさから照れ隠しで少し身動ぐ名無しさん。
それとは逆にゾロの腕に力が込められる。
「見えない運命よりも、今。誰と一緒に居てェと思う方が重要だろ。」
ゾロの唇が名無しさんの首筋に押し付けられて赤い跡を残した。
「もう…ゾロったら素直じゃない。」
「目の前に差し出された好意は受け取るモンだからな。」
結ばれた赤い糸は
解ける事のないよう
きつく絡まって
お互いを離さない
fin.