ホワイト・ラブ
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「名無しさん!ゾロはな、お前の為に服屋の前を彷徨いて不審者の様に店の中を睨み付けたり」
「ウソップ…!てめ、」
「ゾロが花屋で花を見ていたのも名無しさんの為なんだぞ。」
「チョッパー!お前も見てたのか…!」
ウソップとチョッパーが目撃したゾロの怪しい行動は全部、彼女である名無しさんの為だと分かって二人が安心したのも事実。
「そっか。名無しさんにくれる為にオメー俺に菓子くれっていったのか。」
ルフィは買ったお菓子を食後に食べながら手摺を乗り越えて甲板に下り立つ。
「名無しさん!安心していいぞ。俺は菓子をやらなかったからそれはゾロが自分で買ったやつだ。」
ゾロが私の為に…。
似合わない服屋さんや、お花を見て回った姿を想像すれば。
余りにも不釣り合いであろう光景に思わず口の橋が緩む。
そう思えば手の中にあるマシュマロも大事に思えてきたから不思議だ。
「そうだったんだ…ゾロ、ありがとう。」
「おぅ。」
ゾロは今日一日、自分の行動を見られていたと分かって照れ臭そうに外方を向いた。
その耳が少し紅く見えたのは名無しさんのとびきりの笑顔を見たからだった。
「名無しさん、教えてあげるわ。」
今まで黙っていたロビンが口を開く。
「そのマシュマロをよく見て。チョコが中身に入っているでしょう?」
ロビンに言われて包みを見ればチョコ入りの文字。
「あ、ほんとだ。」
「だから何だってんだよ。早く言え。」
ゾロに急かされ、クスッと笑って答えるロビンを合図にクルー達はダイニングへと戻っていく。
「ルフィさん二人の邪魔になりますから早く戻られた方がいいですよ。」
「と言うことだ。悪ィが席を外してくれ。」
手を払って追いやる仕草をするゾロに名無しさんは苦笑いを浮かべる。
「もう。ゾロったら…。」
腕を伸ばして上に戻ったルフィの頬をナミが抓った。
「あんたは私にお返しあげようって気はないの?三倍返しよ!」
「ナミさーん!ロビンちゃーん!俺はとっておきのお返し用意してあるからねー!」
ダイニングへ通じる扉が閉まり、二人きりになった甲板に静寂が訪れる。
ゾロは再び名無しさんの身体をを抱き締めた。
「…これで俺の愛が伝わったか?」
「ううん。まだ足りない…。」
そう言って名無しさんは少し背伸びすると、ゾロの唇に自分のそれを軽く合わせる。
「…ハッ、上等。」
口角を上げたゾロと名無しさんはこの夜、各々の部屋に戻る事はなかった。
“チョコ入りのマシュマロにはマシュマロの様に自分の愛で彼女を包むって別の意味があるのよ。”
fin.