ホワイト・ラブ
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そのままルフィと一緒にサニー号に戻ったゾロは食事の後に名無しさんを甲板に呼び出した。
「ゾロどうしたの?」
くりくりと大きな目で見つめてくる名無しさんの前に袋を差し出す。
「あー、大したモンじゃねェが…お前にやる。」
ぶっきらぼうに渡した包みを受けとるとパアッと笑顔を咲かせる名無しさん。
「もしかしてホワイトデーの?ウッソー!ゾロは絶対覚えてないと思ったのに。」
まさかバレンタインデーのお返しをするホワイトデーという習慣すら知らなかったとは、嬉しそうにする彼女を前にして口が裂けても絶対言えない。
「ね、開けてもいい?」
「あァ、いいぜ。」
ガサガサと袋を開けて中身を確認した名無しさんは一瞬動きを止めると。
笑顔がみるみるうちに曇っていく。
「そっか…ゾロの答えはこれなんだね。今まで気付かなくてゴメンね。」
「あ?答えって何だよ。」
「ゾロの事が好きなのは私だけだったんだ。別れたいと思ってたなんて全然知らなかったよ…。」
「はぁぁァ!?」
彼女は目から大粒の涙を流している。
急に泣き出した名無しさんに狼狽えたゾロは肩を抱き寄せて彼女の身体を包み込む。
「あー、泣くな。誰も別れたいだんて言ってねェじゃねぇか。」
ゾロに抱き締められている名無しさんの手にあるのは白いマシュマロが入った袋。
「ううん、違うの。マシュマロには“あなたが嫌い″って意味があるんだよ。だからゾロは私と別れたいんでしょ…。」
「はァ!?んな意味なんか知らねェ。俺はただホワイトデーだから白い菓子を買っただけだ。」
「う…そ…?」
ゾロの言葉に名無しさんは目を見開いて彼を見上げた。
涙はもう出ていなかった。
「それに、お前の事こんなに好きなのに別れたいなんて思わねェよ。」
「っ…。」
ゾロの唇が彼女の涙の跡を消す様にスライドしていく。
頬を滑った唇は名無しさんの唇を塞ぎ、角度を変えて何回も重ねられる。
「ちょっ…ゾロ、苦し…分かったから。」
離れようとしない身体を強引に押し返すと漸く止まったキスの雨。
「まだ分かっちゃいねェだろ。俺がどんだけお前を愛してるかよぉく身体に教え込まないとなァ、名無しさん?」
ペロリと唇を舐めながら不敵に笑うゾロと、顔を真っ赤に染めた名無しさん。
完全に自分達の世界に入ってしまった二人の影にクルーの声が掛けられる。
「あーあ。見せ付けてくれるわね。」
「ナ、ナミ…!」
声の元を見れば数人のクルーがゾロと名無しさんをニヤニヤ笑いながら見下ろしていた。
「お前らいつから見てた!」
「ん~?ゾロが名無しさんに菓子あげてるとこから見てたぞ。」
殆ど最初から今までの行動を見られていたと分かって名無しさんの顔は益々赤くなる。