ホワイト・ラブ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
無事に町に着いたゾロはキョロキョロと辺りを見渡す。
「お返しったってなぁ…何買えばいいんだ。」
名無しさんの好きな物といったら…。
綺麗なお花。
可愛い洋服。
甘いお菓子。
そのくらいしか思い付かない。
一軒の服屋の店の前に立つゾロは端から見れば怪しい人物だ。
目付きの悪いガタイのいい男が店の中に睨みをきかせる。
「女物の服は分からねェし…第一、俺がこんなとこ入れるかよ!」
その様子を通りがかりに見ていた買い物途中のウソップ。
「あれはゾロ…?ゾロのやつあんな所に突っ立って何やってんだ?」
見られている事にも気付かずにゾロは舌打ちをすると服屋を後にした。
*
次にゾロが訪れたのは花屋だった。
「いらっしゃいお兄さん。何にするかい?」
人の良さそうな店主が店の奥から出てきて手を拱く。
「げ。花ってこんな高けェのかよ!」
店先に飾られている花束は結構な値段がしていてゾロはナミから貰ったベリーを確かめる。
「あの守銭奴…名無しさんの為と言いながらケチったな。」
手持ちのベリーは少なく、花を買える程の金額はなかったのだ。
「悪りィな。見に来ただけだ。」
愛想笑いを続ける店主に礼をすると花屋を後にする。
「だいたい花なんて道端に咲いてるのに何でこんなにするんだよ…。」
ブツブツと呟きながら歩くゾロの姿を遠巻きにチョッパーが発見する。
「ゾロのやつ、花屋に何の用事だったんだ…?」
小首を傾げながらチョッパーはサニー号へ戻る道をチョコチョコと帰った。
最終的にゾロが辿り着いたのは甘い匂い漂うお菓子のお店。
きゃあきゃあ黄色い声の女の子達でごった返している店内に入る勇気は、ない。
「あークソッ。どうすりゃいいんだ…。」
そこへ、店の中から出てきたルフィがゾロに気付いて声をかけてくる。
「よぉ!ゾロじゃねぇか。なんだ、お前も菓子買いに来たのか?」
ルフィの手にはお菓子の入った袋が二つ。
「お前よくあの中に入れたな…。」
気にしないルフィの性格に感服しながらゾロの目線は彼の持つ袋の中に釘付けで。
「ルフィ、一つだけ俺に譲ってく…」
「やだ。全部俺んのだ。」
ダメ元で頼んでみたが被せ気味に拒否されて。
ルフィから食べ物を分けて貰おうとしたこと事態間違っていたと、ゾロは諦める。
「だろうな。聞いた俺がバカだった。今のは忘れろ。」
ゾロは頭をポリ…と掻いた。
「なんだぁ?ゾロが甘いもん買うなんて珍しいなぁ。」
しししっと笑うルフィにゾロは答えることなく目線は店先に注がれる。
店の前には可愛くラッピングされているお菓子がたくさん陳列されていて。
あいつの好きそうなモンか…。
何あげればいいか分からねェが…。
頭を悩ませてゾロは一つのお菓子を鷲掴みすると店の中に入った。
「これ売ってくれ。」
その様子を見ていた町人は言う。
悪人顔の緑髪の男が店内に足を踏み入れた瞬間、モーセの十戒宛らに人の波が割れた、と…。