ホワイト・ラブ
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3月14日
一ヶ月前に貰った愛に応えよう
ただ、愛する人の喜ぶ顔が見たくて…
ホワイト・ラブ
昼過ぎに新しい島についた麦わら一味。
ゾロがいつもの様に甲板で昼寝兼船番をしている所に黒足が降ってくる。
ドガッ!!
「ッぶね…!」
寸での所で避けたソレは鈍い音を立てて甲板に衝撃を与えた。
俺は立ち上がって踵落としをしてきた帳本人を睨みつける。
「昼寝を邪魔するたァいい度胸してんな。何の用だクソコック。」
「あぁ…優しい俺が教えてやろうと思ってな。どうせお前の事だ。今日が何の日か忘れてんだろ。」
ニヤニヤとした笑みを浮かべながら煙草を吸うサンジにゾロは苦虫を潰した様な顔をした。
「はァ?今日が何だってんだよ。」
「やっぱりか。名無しさんちゃん、何処が良くてマリモなんかと…。」
「名無しさんは関係ねェだろ。ハッキリ言え。」
サンジの口から自分の恋人である名無しさんの名が出てきた事に不快感を露にして刀に手を掛ける。
「はぁ…今日はホワイトデーだろ。お返し用意しなくていいのか?」
溜め息で紫煙を吐きながら言うサンジ。
「ホワイトデー?なんだそれ、お返しって何のだ?」
ゾロの一言によって呆れた様に肩を竦めると煙草を捨てて揉み消した。
「それすら知らなくてよく今まで生きてきたな。ホワイトデーってのはな、バレンタインデーにチョコをくれた相手にお返しする日なんだよ。」
「ハッ、そんな事か。」
再び甲板に寝転がろうとした所に鉄拳制裁が落ちてくる。
「アンタはどこまでバカなの!?」
「痛ってェな、ナミ!てめェまで何しやがる?!」
殴られた頭を擦りながら後ろを振り替えれば仁王立ちしているナミの姿。
「私達はアンタの為に言ってるんじゃないの。名無しさんの為よ。」
ナミの言葉に大きく頷いて同意したサンジも言葉を続ける。
「名無しさんちゃんがどんな気持ちでテメェに告白したと思ってんだ。それに応えてやるのが男ってもんだろ。」
「…。」
名無しさんのチョコレート作りはバレンタインデー当日まで失敗続きだった。
ゾロに告白したい一心で寝る間も惜しんでウイスキーボンボンを完成させたのだ。
見た目は歪なチョコだったが味は格別な旨さだった事を覚えている。
そのチョコが俺と名無しさんをくっ付けたと言っても過言ではない。
「名無しさんはロビンと本屋に付き合わせているから今のうちにお返し買ってきなさい。」
ナミはゾロにお小遣いとして少しのベリーを渡す。
サンジとナミに追い出される様にサニー号を下りたゾロ。
ガシガシと頭を掻くと町に向かって歩き出した。
「町はそっちじゃないわよ!」
ゾロの背中にナミの叫ぶ声が上げられるのは何時もの事。