止まった時計
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当たり前だと思っていた日常が
一瞬にして壊されて
あなたが隣にいる日常が
当たり前にならなくなって
私の中のあなたは
二年前のまま
止まった時計
「はぁ…。やっと戻ってきたわ。」
名無しさんはシャボンディ諸島に着くと期待と不安に胸を膨らませる。
皆…元気にしてるのかな。
クルー一人一人の顔を思い浮かべて早く会いたい気持ちだけが先走る。
その中でも一番気掛かりなのはやっぱりゾロで。
深手を負った状態で離れ離れに飛ばされて、安否も分からぬまま月日だけが過ぎ。
二年間の修業の後に再会という約束の元、それだけを心の支えにしてきた。
ゾロに会いたい。
その一心で私は今まで頑張ってこれたんだ。
「皆はもう着いたのかしら。」
キョロキョロと辺りを見渡しながら歩いていると見慣れた緑頭の人物を見つける。
ドキドキと脈が早くなるのが自分でも分かった。
「ゾ…!」
声を掛けようと走り出した足は止まる。
ゾロと話している人物には見覚えがあった。
ピンクの髪の毛の…あれはスリラーバークで戦った敵のはず。
太腿に巻いたベルトに名無しさんの武器である銃が仕込んである。
彼女はスカートの上からソレにそっと触れて存在を確かめた。
…ここで殺り合うには人が多すぎる。
でも…。
ゾロに妙な真似したら許さない。
じりじりと二人との間合いを詰めて行った名無しさんは自分の耳を疑った。
「まったく私がこの島に送ってやらなきゃお前今頃…。」
「ウッセ。もう用事は済んだはずだ。さっさと島に戻れ。」
ゾロはペローナに向かって追い払う仕草をしながら町の方へ歩き出す。
「お前それが二年前介抱してやった恩人に言う言葉か!?」
あの子がゾロを介抱したですって?
ペローナは立ち去るゾロの背中に声を上げた。
「そっちじゃないと何度言ったら分かるんだ…海軍が集まってきてる。ぐずぐずしてると囲まれるぞ!」
海軍が…!?
早く皆と合流してサニー号に行かなきゃ。
名無しさんはペローナの横を走り抜け、港とは逆の方へ向かっているゾロを追い掛けた。
「ゾロ…待って!」
「…名無しさん!?」
私の声に気付いたゾロが振り返った顔に、名無しさんは息を飲む。
「ゾロ…それ、」
ゾロの左目は固く閉じられ、縦に一筋の傷跡が付いていたからだ。
立ち止まった名無しさんとゾロの前方からルフィとサンジが走って来るのが見えた。