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男として

WHO YOU

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女の子の時の名前
男の子の時の名前

マネ「お前さ、少しは顔に感情だせよ。
  笑顔っていう笑顔を見たことない
   って社長が言ってたぞ。
  笑っても寂しそうに、悲しそうに
  笑うんだとさ。」

 「そんなこと言われても...、
  これでも喜怒哀楽出してる方ですよ」

マネ「俺からしても、そうは見えないけどな。
  ...なぁお前。なんで自分デビューに選ばれたか、
  知ってるか?」

「いえ、なにも...」

マネ「本来あるべき姿に戻したいと
  社長のご意向だよ。″俺が1番気に入ってる
  奴らにちゃんを変えてほしい″ってさ。」


社長のご厚意は素直に嬉しい。
ただ、そう言われても
忘れてしまった笑い方や幸せの
感じ方は簡単には思い出せない。

自分で自分を傷つける事で、生きてる実感を
身につけた頃にはもうすでに、心の底から
笑うことや、幸せを感じることが出来なくなっていた。

マネー「まだ治まってないんだろ、?
   その、…自傷行為」

言いづらそうなマネージャーには
目を向けず、ただうなずく。

マネー「なるべく…、抑えろよ」

 「わかってますよ、そんなこと」

抑えなきゃいけないって、
自傷行為をやめなきゃいけない事なんて
そんなこと他の誰より自分が
1番分かっている。

それでも気がつくと皮膚の裂け目から
赤い点がぷっくり膨らんで、ひとつの
線となって、手首から流れるのを見ると不思議と
安心感で、生きてることの自覚できた。

"うちから告ったんじゃないし"
"俺がお前のこと本気で好きだと思った?"
″お父さんは本当のお父さんじゃないのよ″

″親友、彼氏、家族″
思い出すだけで目の前が暗転に包まれ
立っていられなくなる程辛い思い出ばかり。

思い出というかもはや一種の呪縛だろう。
考えるだけで、ファンデーションを塗って
目立たなくさせた左手首の無数の傷達が疼く。

 「……っ…。」

マネー「んなしんき臭い顔すんな、」

そう言ってマネージャーが
私の腕をこずいてきた。

さっきから思ってたけど、
このマネージャー、私の扱い悪いなー。
一応LADYだぞ?←
こんなんじゃ絶対結婚できんよ。

 「…マネさん結婚してますか?」

マネー「いや?」
 
ほら見ろ。

 「やっぱり」

マネー「あ?」

…睨まないでください、怖いです。

 「…いや、なんでも」

気まずい空気を破るかのように
エレベーターが目的地についたのか
音を立ててドアが開いた。
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